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神奈川県内公示地価、住宅地8年ぶり下落 中華街も下げ

国土交通省が23日発表した2021年公示地価(1月1日時点)で、神奈川県内の住宅地の平均変動率は前年比0.6%下落した。下落したのは2013年以来8年ぶり。商業地は9年連続で上昇したが、上昇率は0.1%と前年(2.7%)に比べ大幅に縮小した。新型コロナウイルスの感染拡大で20年前半を中心に不動産取引が停滞し、先行き不透明感も広がった。

住宅地の平均変動率を地域別にみると、上昇したのは東京都心へのアクセスに優れた横浜市や川崎市の一部などに限られた。上昇の地域数は前年の35市区町から14市区に減少。前年上昇していた4市区は横ばい、17市区町は下落に転じた。

「緊急事態宣言期間に不動産取引市場が停滞した」(県政策局)といい、多くの地域で上昇幅が縮小した。横浜市の南部や西部などでは、坂が多い地形や東京都心部へのアクセスの面から近年横ばいや下落の傾向があったが、下落率が拡大した。

これまで地価の上昇傾向が続いていた川崎市も先行き不透明感などから、多くの調査地点で上昇幅が縮小。台風の浸水被害を受けた地域で下落した調査地点もあった。相模原市では、リニア中央新幹線の新駅計画を背景に地価が上昇基調だった橋本駅(同市)周辺も伸び悩んだ。

県によると下落基調にあった県西部や三浦半島などではコロナの影響は限定的で、下落率は縮小傾向だった。「湘南地域などではテレワークによる生活様式の変化で需要はみられるものの、地価を押し上げるほどではない」(同)という。

不動産仲介のリストインターナショナルリアルティは県内の住宅地の地価の先行きについて「20年5月以降、住宅販売は好調だ。今後は不動産価格の上昇もありうる」とみている。

上昇率の1~3位は横浜駅(横浜市)のある同市西区の調査地点。同駅からは少し離れ、不動産価格に値ごろ感のある場所が多かった。同駅はリクルート住まいカンパニー(東京・港)の「住みたい街ランキング」(関東版)で4年連続でトップだった。

商業地、中華街が大幅下落 飲食・観光需要低迷で


商業地では下落に転じた横浜中華街の中心部が下落率のトップとなった(20日、横浜市)
商業地は店舗の閉店や先行き不透明感から上昇率が大幅に縮小した。オフィス需要は堅調だったが、百貨店の閉店や新型コロナの影響による飲食業・観光業への打撃が大きく、こうした店舗が集まる地域の下落率が目立った。
下落率のトップは横浜中華街(横浜市)の中心部。前年は8.2%の上昇だったが、10.3%の下落と急ブレーキがかかった。20年8月に閉店した高島屋港南台店のある港南台駅(同市)周辺が下落率3位、9月に閉店した伊勢丹相模原店に近い相模大野駅(相模原市)周辺も7位だった。
リストインターナショナルリアルティの担当者は「中華街はコロナの影響を著しく受けており、飲食・観光の低迷が影響している。港南台などの郊外も少子高齢化の影響が強まっている」と分析する。
上昇率の首位はみなとみらい21地区、2位は横浜駅、3位は桜木町駅の周辺でいずれも横浜市内。繁華街に加え「オフィスを中心とする商業地では比較的空室率が低く、上昇基調を維持している」(県政策局)。それでも、これらの地域も前年は10~16%の高い伸び率だったが、いずれも5%弱に縮小した。
一方、工業地は1.8%上昇(前年は2.4%上昇)と8年連続のプラスとなった。EC(電子商取引)関連の物流・倉庫施設として利便性が高い地域が堅調だった。なかでも新東名高速道路の延伸地域や首都高横浜北線・北西線周辺の工業地の地価が堅調に推移しているという。

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