治水対策、正しい知識普及を 吉谷純一氏
信州大学教授(水工学)
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2019年10月の台風19号では、全国各地が大きな災害に見舞われた。私の住む長野市では、千曲川の氾濫で市内の堤防が決壊した。住宅やリンゴ畑、商業施設などは最大4.5メートルも浸水し、大量の土砂が流れ込んだ。20年も熊本県などで豪雨による大規模な水害が発生し、全国的に水害への認識をあらためる局面に差し掛かっている。
長野市で堤防が決壊した長沼地区は、もともと市内で最も地盤が低い土地だ。地区住民は危険...
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