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東電復興本社代表「風評対策 徹底的に」 原発処理水巡り

東京電力福島第1原子力発電所で増え続ける処理水。海洋放出が取り沙汰される中、懸念される風評被害にどう対処するのか。15日までに報道各社の取材に応じた東京電力ホールディングス(HD)福島復興本社(福島県双葉町)の大倉誠代表は「国の方針が出た段階で、徹底的に対策に取り組む」と強調した。

取材に応じる東電HD福島復興本社の大倉誠代表

福島第1原発で発生する汚染水は専用装置で浄化処理している。ただ放射性物質トリチウムは除去できずに残存。トリチウムを含む処理水がタンクにたまり続けている。タンクを置くスペースは限られ、国は一定の基準のもとで処理水を海洋放出する方針を固めている。

処理水を巡り大倉代表は「農林水産業や観光業者から風評への懸念を聞いている」とした上で「国の決定が出れば、事故を起こした我々が前に出て説明する」と強調。「関係者と意見交換して徹底的な風評対策を講じたい。風評被害が出れば適切に賠償する」と話した。

復興本社は原発事故で失われた福島県産品の販路回復を支援する専門組織を置き、活動を続けている。大倉代表は「これまで2年余り、仮説を立て、風評のメカニズムを検討してきた」と指摘。「試行錯誤を通じて得た知見を、処理水の風評対策にも生かす」との考えを示した。

処理水の安全性への理解促進に向け「我々は信用されないとしても、一番熱心に情報発信しないといけない立場だ」と話す。方法については「決め手はない。SNS(交流サイト)などを含めあの手、この手でやるしかない」とした。

一方で「まだまだ伝え方が下手だ」とも指摘。原子力に関する言葉遣いで正確さを求めると専門家以外には「逆にわかりにくくなる」といい、「わかりやすさについてもっと踏み込まないといけない」と述べた。

このほか、福島第1原発事故の被害に対する損害賠償請求権に関し、「時効の援用はしない」と明言。同原発事故での特例期限を迎える2021年3月以降も賠償請求に応じる方針を示した。「現在準備中の(経営方針などを示す)次の総合特別事業計画にも盛り込む方向で調整している」という。

復興本社は10月、双葉町に拠点を移し再出発した。大倉代表はこの5年、人員の「浜通りシフト」を掲げ、内陸の福島、郡山市などから職員を沿岸部に移す旗を振ってきたという。「福島での責任を果たすため、少なくとも廃炉を終えるまでは地域との関係を続けたい」と話した。

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