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「千年の技、継承に協力を」山梨県の市川手すき和紙

山梨県市川三郷町の旧市川大門町周辺で、平安時代から1千年以上の歴史があるとされる手すきの「市川和紙」。町などが開設した「市川手漉(す)き和紙 夢工房」で、伝統の技を引き継ごうと技術の習得に励む若者が、手すき用具などを充実させるための協力を呼びかけている。

クラウドファンディング形式で、手すきの和紙づくり体験のほか、紙の原料から大きさ、厚さ、色などを相談しながら作り上げるオーダーメードの和紙のはがきなどを販売している。

市川和紙はかつて武田家や徳川幕府の「御用紙」として献上され、幕末には手すき和紙の工房が350軒ほどあったとされる。機械化が進んだ現在も障子紙では全国有数の産地だが、市川和紙の手すき職人は豊川製紙(市川三郷町)の豊川秀雄さん(70)1人だけとなった。

そんな伝統工芸存続の危機に立ち上がり、弟子入りしたのが同町出身の渡辺萌絵さん(22)だ。

渡辺さんは2018年春、和紙職人になろうと大学を1年で中退し、京都にある専門学校の和紙工芸専攻で和紙の素材作りや手すきの技術を学び始めた。

その後、市川三郷町商工会が進める手すき職人の後継者育成事業を知り、渡辺さんが応募。19年7月から豊川さんの指導を受けている。

20年8月に「夢工房」がオープンし、現在、渡辺さんを含む2人が週1~2回、豊川さんの伝統の技を学びつつ、夢工房で新しい和紙作品の制作に取り組んでいる。

渡辺さんは「豊川さんのように、厚さや重さがどれも均一な和紙をすくのはとても難しい。伝統工芸の継承という言葉にプレッシャーはかかるが、頑張っていきたい」と話している。

夢工房は町の製紙試験場の倉庫をリニューアルした施設で、一通り紙すきの設備があり、和紙制作の体験も受け付けている。はがきや賞状サイズの手すき和紙のほか、渡辺さんがデザインした和紙を使ったイヤリングやランプシェードなどの注文も受け付けている。

ただ、夢工房にはA3判より大きな紙をすくための大型のすき舟がないなど、伝統技術の継承にはまだ設備が十分とはいえず、渡辺さんらは備品を充実させるため、クラウドファンディングで寄付を募っている。

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