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自動運転バスへ「顔パス」乗車、前橋市で実験進む

前橋市や群馬大学などが市内の公道で自動運転バスの実験を行っている。乗客の顔を識別する顔認証システムと高速通信規格「5G」を活用する全国初の試み。財布を持たなくても「顔パス」でバスに乗れる新サービスの使い心地を多くの住民が確かめている。

実験は28日まで実施する。事前にマイナンバーカードを使って顔情報を登録した人は乗降時の顔認証により無料で何度でもバスを利用できる。前橋市によると140人以上が登録した。

実験車両には乗客全員の顔を識別するためのカメラも搭載した。人工知能(AI)で乗客の数や性別、年代などを分析して効率的な運行計画に反映できるか検証する。登録した顔情報や車内カメラの映像は利用後にすべて削除するという。

実験は上毛電鉄の中央前橋駅とJR前橋駅(約1キロメートル)の間を走るシャトルバスの一部で行っている。群馬大に設けた遠隔管制室では、5Gを使うことでバスからの映像が高精細で遅延なく映し出されるかを確認する。

実験の運行開始セレモニーにおいて、群馬大で中心となって自動運転を研究している小木津武樹准教授は「今後、前橋市で自動運転バスを実用化するうえで今回の実験は大きな一歩になる」と話した。

今回の実験は前橋市や群馬大のほか、群馬大発のベンチャー企業である日本モビリティ(同市)、日本中央バス(同)、NEC、NTTドコモ、NTTデータなどが行っている。

実験前に市役所の窓口に出向き、自らの顔情報を登録して自動運転バスに「顔パス」で乗ってみた。すると、事前に想像していたよりも素早く乗降時に本人確認できた。これなら現金で運賃を払うよりもスムーズに乗り降りできると実感した。

前橋市や群馬大などが同じ区間を使って公道で自動運転バスを実験するのは今回が3回目になる。実験車両の運転席にはドライバーが乗っており、自動運転の水準は、5段階あるうちの下から2つ目の「レベル2」に該当する。

前橋市などは2022度を目標に同区間で路線バスの自動運転を実用化する方針。その際、自動運転のレベルは「レベル3」になる見通し。ドライバーは乗らないものの車内には保安要員を置き、遠隔地から運転状況を監視することになる。

また、前橋市はデジタル技術で住みやすい都市を実現する「スーパーシティ」として政府から認定されることを目指している。市はスーパーシティ計画のなかで顔認証と決済サービスを組み合わせた様々なサービスを検討しており、今回の実験が成功すれば22年度にも実際に顔パスで乗れる自動運転の路線バスが実現しそうだ。

(前橋支局長 古田博士)

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現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。

1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。

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