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四国の日本酒セット セーラー広告、物販に活路

高松市に本社を置くセーラー広告が食品の販売事業を始めた。新型コロナウイルスの影響で広告需要が落ち込む中、培ってきた企画力や発信力を生かす。第1弾として飲食店向けの売り上げが落ち込む地元酒造会社や、お遍路さんが減少した札所とも連携し、四国で造られる日本酒セットの商品開発を手掛けた。物販事業を新しい収益源に育てる。

セーラー広告が商品開発した「四国銘酒88 おへんろ絵巻」は、毎月8本ずつ計88本の日本酒が届く

300ミリリットルの日本酒が1カ月に8本、計88本が届くセットの販売を3月に開始した。お遍路の札所や近隣の風景などをそれぞれのラベルにデザインし、その札所に近い酒蔵の日本酒を楽しむことができる。8万8千円と高額だが、香川や東京、神奈川などから注文が入っているという。公式サイトから注文できる。

中四国の広告関連事業が中心のため、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛やイベントの中止、企業業績悪化による広告出稿停止など、大きな影響を受けた。未定としていた2021年3月期の業績予想を3月に発表し、売上高は20年同期比で23%減の63億円、営業利益は1億5000万円の赤字を見込んでいる。

依然として感染症の収束が見通せない厳しい経営環境が続く中で、活路として目をつけたのが広告会社の強みを生かせる物販事業だった。四国各地のネットワークや自前のクリエーティブ部門、ウェブプロモーションの経験などを組み合わせ、地方を拠点とする広告会社ならではの商品開発、販売につなげたい考えだ。

既存の広告事業だけでは立ちゆかなくなるという危機感はコロナ前からあったようで、物販事業強化を前提とはしていなかったものの、2018年に地域産品の情報発信を手掛ける社内組織「地域ブランド研究所」を設立している。セーラー広告の森川稔取締役は「広告のプロとして販売促進を手伝ってきたが、今後は販売のプロを目指さなければいけない」と述べ、地域商社的な役割を担っていく考えを示した。

日本酒セットの開発は、コロナの影響で酒類販売が落ち込んだ西野金陵(香川県琴平町)が、セーラー広告の坂東祐介氏に相談を持ちかけたことから動き始めた。坂東氏が営業を担当する一般社団法人「四国八十八ケ所霊場会」(香川県善通寺市)も遍路客が減少していたことから、両者を巻き込んだコラボ商品にした。4月に入ってからはグーグルやフェイスブック上でのウェブ広告を強化しており、関東圏などでのPRを進めていく。

今後は四国遍路に関連した商品を続けて投入していく予定。坂東氏が営業と掛け持ちで新事業を担当しており、物販の部署があるわけではない。第1弾が今後の事業拡大に向けた試金石になる。(桜木浩己)

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