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カシオ、皮膚科向け医療機器をAI連動で海外へ

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
「ダーモカメラ」はレンズを皮膚に接触させて撮影する

カシオ計算機は医療機器事業の本格展開に乗り出す。国内で販売してきた皮膚科向け医療機器を海外で販売し、皮膚がんなどの診断を支援する人工知能(AI)やクラウドサービスとも連携。2~3年後をめどに、関連売上高を現在の数倍の10億円以上に高める方針だ。

デジタルカメラ「ダーモカメラ」と拡大鏡「ダーモスコープ」を3月までにオーストラリアとニュージーランドで発売する。2021年度中に台湾や米国でも発売する計画で、その後欧州にも広げる。

いずれも皮膚の病変を詳しく観察し、がんかどうかなどを判定する目的で使う。照明条件などを切り替えることで、病変の表面構造や内部の色素分布が分かるのが特長だ。まずダーモスコープで病変を拡大して観察。詳しい解析や経過観察が必要なら、ダーモカメラのレンズを皮膚に接触させて撮影するという流れを想定する。

デジカメ技術を生かす

両製品とも18年に撤退した消費者向けデジタルカメラの技術を生かして開発した。ダーモカメラは従来なかったタイプの製品で、医師が拡大鏡にカメラを取り付けて撮影する手間を省ける。

海外展開に乗り出すのは、皮膚がんにかかる人が多く日本の数倍の市場があると見込んでいるためだ。皮膚科向けの医療機器は米スリージェンなどが強いが、「各国でトップシェアを狙う」(カシオ計算機メディカル企画開発部の北條芳治部長)としている。

その先に見据えるのはソフトウエアやサービスで継続的に稼ぐビジネスだ。ダーモカメラなどで撮影した皮膚画像から、がんの可能性を判定するAIを信州大学と開発している。医師が撮影画像をクラウドにアップロードすると、AIがすぐ判定結果を返すサービスを構築する。医師の見落としを防ぎ、不要な精密検査を省くことにつなげる。

予防医療分野にも注力

すでにAIのプロトタイプを開発しており、製造販売承認の取得に向けて規制当局への相談を始めた。21年度中の承認申請を目指す。日本で22年度、海外では23年度に医療機関向けのクラウドサービスとして事業化する計画だ。

ダーモカメラは日本では19年5月に発売し、これまでに1000台以上を販売した。ダーモスコープは20年3月の発売で500台以上を販売した。定価はダーモカメラが約20万円、ダーモスコープが約7万円で、関連売上高は年1億~2億円とみられる。

カシオの21年3月期予想の売上高は2200億円と前期比22%減る見通し。主力の腕時計「G-SHOCK」に続く収益の柱を育てることが急務で、医療機器事業への期待は大きい。「機器の設計開発から生産、サービスまで自前で手掛けられる強みを医療分野にも生かす」(北條氏)。21年度には子宮頸(けい)がんなどの診察に使う婦人科向けカメラも発売する。スポーツや健康など予防医療分野にも力を入れていく方針だ。

(企業報道部 大下淳一)

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