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ファミマ、無人決済コンビニの1号店 東京・丸の内に

ファミリーマートが31日、東京・丸の内で無人決済の小型店を開く。レジを無人化することで従業員1人でも店舗運営が可能になる。大量出店を重ねてきたコンビニはフランチャイズチェーン(FC)加盟店の経営環境の悪化など、従来の店舗形態での出店が難しくなっている。人件費などコストを抑えた店舗モデルを模索し成長の糸口を探る。

ファミマは30日、開店に先駆けて東京都千代田区のオフィスビルで内覧会を開いた。広さ55平方メートルの店内の天井に取り付けたカメラが、来店客が手に取った商品を認識する。出口付近にある精算機の前に立つと支払金額が表示され、電子マネーや現金などで決済できる。店内には飲料や菓子など約700種の商品が並ぶ。

店内は無人で、バックヤードでは酒類販売などに対応するため従業員1人が待機する。これまでコンビニの店舗運営はレジや陳列などで最低2人の従業員が必要だった。

ファミマが新たな店舗形態の開発を急ぐ背景には、コンビニを取り巻く環境の変化がある。

大手コンビニのFC契約では加盟店は売上高から商品原価を差し引いた粗利益の一定割合を本部に支払う。加盟店はそこからさらに人件費の大半を負担する。ここ10年で最低賃金は2割上昇するなど加盟店の経営を圧迫してきた。無人決済店舗が広がれば、加盟店は人件費の負担を抑えられるようになる。

無人決済の仕組みはJR東日本の関連会社のTOUCH TO GO(TTG、東京・港)が提供する。ファミマは2月にTTGと資本業務提携した。中長期的な出店計画や出店にかかる費用は非公表だが、「都市部を中心に短期間で出店を進めていきたい」(ファミマの細見研介社長)。すでに都内で2号店の出店を計画中という。

コンビニは東日本大震災を契機に社会インフラとしての価値が高まった。各社は大量出店を重ねることで成長を続けてきたが、これまでの店舗形態での出店余地は少なくなっている。セブン―イレブン・ジャパン、ファミマ、ローソンの大手3社の2021年2月期末の店舗の純増数は236店。記録が残る1980年2月期以降、過去2番目の低水準だった。

新たな店舗形態は出店余地の開拓にもつながる。ファミマは今後、オフィスや病院など「マイクロマーケット」と呼ばれる小商圏での出店を広げる。こうした立地ではこれまで自動販売機の設置を進めてきたが、品ぞろえが100種程度に限られていた。品ぞろえや店舗運営のコストを改善し、より幅広い需要に対応できるようにする。

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