/

中国発のモバイルゲーム、ゲーム強国・日本市場を席巻

首都圏を走るJR線車内のドアに貼られた「原神」のステッカー広告

中国発のモバイルゲームが日本市場を席巻している。有力なゲーム開発会社が集積する日本は日本製タイトルへの支持が根強い市場だったが、中国製に流れるゲーマーが増えている。中国製はゲーム強国・日本のサブカルチャーを取り込んで成長している例が多い。

米調査会社センサータワーによると、日本のモバイルゲームの市場規模は2021年1~6月に約97億ドル(約1兆700億円)だった。17年1~6月と比べ63%拡大したが、けん引役を務めたのがこの4年間で成長した中国製だった。

タイトル別では、21年はトップ10に中国製が3つ入った。最上位は網易(ネットイース)のバトルシューティングゲーム「荒野行動―スマホ版バトロワ」の7位。ロールプレイングゲームの「原神」(9位)と「放置少女~百花繚乱の萌姫たち」(10位)が続いた。

17年のトップ10では中国製はゼロだった。上位100タイトルを見ると、17年に8つだった中国製は22まで増えた。世界のゲーム市場では騰訊控股(テンセント)など中国勢の台頭が著しいが、強豪がひしめき参入が難しかった日本市場にもついに押し寄せてきた。

日本市場で伸びている中国3社は、いずれも日本のゲーム産業やサブカルチャーの集積・基盤を利用している。網易は20年6月、東京・渋谷にゲーム開発拠点「桜花スタジオ」を開設し、日本のクリエーターを積極的に引き抜いている。

原神は理工系の名門・上海交通大学の卒業生で、オタク文化を愛する3人が12年に設立した上海米哈游影鉄科技(miHoYo)が手がける。日本アニメ風のイケメン・美少女キャラが活躍するストーリーで、JR線の車内広告などで日本での知名度を高めている。

北京有愛互娯科技(C4Games)が開発した放置少女~百花繚乱の萌姫たちでは、三国志の武将がアニメ風の美少女キャラとなって登場。同社は日本でテレビCMを打っているほか、5月には国際化の加速を狙って動画投稿アプリ「TikTok」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)の傘下に入った。

「中国勢の日本でのシェア拡大は、この4年間に現地化の投資や日本の専門家のスカウトなどの努力を続けた成果だ」。センサータワーのナン・ルー・アジア太平洋担当アナリストはこう指摘する。

海外企業の進出が日本市場を活性化させることは、一般論としては歓迎すべきだ。しかし、中国企業が国内ゲーム産業の競争力をそぐ形で台頭してくるなら、日本勢には何らかの対抗策が必要かもしれない。

(アジアテック担当部長 山田周平)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン