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対中越境ECで売れ始めた日本のビンテージ雑貨

日本から中国に消費財を売る越境電子商取引(EC)で顧客ニーズが変化している。SNS(交流サイト)を通じ、日本人が物色する様子まで見られるビンテージ(年代物)の雑貨などの引き合いが増えているという。新型コロナウイルス禍による訪日客急減を補う形で増えた対中越境ECのあり方が変わりつつある。

「アクセサリーなどの中古雑貨や日本式の日記帳への関心が高まっている」。オセロ(東京・渋谷)の番匠達也代表取締役は語る。オセロはマーケティング支援会社アライドアーキテクツの子会社で、日本人インフルエンサーを使った中国市場開拓を専門とする。

つまり、オセロの売上高は中国のネットマーケティングにおいて、「日本需要」の指標の意味合いを持つ。金額は非公表だが、2020年12月期の売上高は前年度の2.3倍に増加。しかし、21年12月期は5%の増収にとどまった。

コロナ禍で20年に中国全体の越境ECが急増し、21年には伸びが落ち着いたことと辻つまが合う。ただ、21年12月期の受注の中身を分析すると、潮流の変化が読み取れるという。

まず、定番である化粧品・ファッションのマーケティング案件の比率が約70%と前年度から10ポイントほど下がった。そして入れ替わるように、おしゃれな日本人消費者が好むビンテージの雑貨や日用品、日本酒などの案件が増えた。

結果として、ネット販促で使う主力SNSが「小紅書」へと移った。小紅書は「中国版インスタグラム」と呼ばれ、都市部の若い女性を中心に3億人超の利用者がいる。オセロが受注した案件で小紅書の利用は19年はほぼゼロだったが、21年には7割に達した。

販促手法は、日本人インフルエンサーが小紅書の動画でタイアップ企業の商品を物色したり、使ってみたりするのが一般的だ。起用するインフルエンサーでは、商品の価値をしっかり語れる30歳代以上の既婚女性の人気が高まっている。

中国の消費者がそんな動画を通じ「日本で本当に評価されている商品だと確かめて購入を決める例が増えている」(番匠氏)。中国では最近、高品質な国産の化粧品・ファッションのブランドが続々と台頭している。わざわざ越境ECで買う以上、日本でも価値が認められた商品がほしいとの心理が働いているようだ。

オセロの受注案件が日本からの対中越境ECをすべて網羅しているわけではない。しかし、中国の消費者の日本商品への嗜好が、15年ごろの単純な「爆買い」からどんどん多様化していることは間違いない。

(アジアテック担当部長 山田周平)

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