/

世界粗鋼生産、20年0.9%減 中国10億トン超え

中国の粗鋼生産量は大きく増加した(浙江省の製鉄所)=ロイター

世界鉄鋼協会がまとめた2020年の世界粗鋼生産量(速報値)は、前年比0.9%減の18億6400万トンだった。新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、5年ぶりの前年割れとなった。いち早くコロナ禍から経済が回復した中国の生産量は増加した一方、日本など主要生産国の減少が響いた。

国・地域別では、中国が5.2%増の10億5300万トンだった。新型コロナの影響で、3月は前年実績を下回ったものの、以降は政府の景気刺激策の効果もあって粗鋼生産量は急回復した。

8月までは2カ月連続で過去最多の粗鋼生産量を更新。インフラ投資が活発で道路工事や住宅建設向けの鋼材需要が旺盛だったほか、自動車など製造業も回復は鮮明だった。増産が続くなかで世界全体に占める中国の割合は56%に達した。

中国に次ぐ2位だったインドの粗鋼生産は、前年比10.6%減の9960万トンだった。政府の全土封鎖の影響で、一時は月間の生産量が前年比6割以上縮小したが、経済活動の再開に伴って粗鋼生産量も回復した。足元では内需がけん引し、タタ製鉄やJSWスチールなど現地大手の生産が活発化している。

一方で、日本や米国といった先進国は回復が鈍く、下げ幅も大きかった。20年の日本の粗鋼生産量は16.2%減の8320万トンだった。緊急事態宣言が発令された4月以降、日本製鉄とJFEスチールの鉄鋼大手2社は需要縮小に対応するべく、国内の高炉を相次ぎ一時休止した。4月以降に改修工事の前倒しも含め、一時的な稼働の停止を決めた高炉の数は7基に上った。

夏以降は自動車メーカーを中心とする製造業の回復を受け、9月にJFEが西日本製鉄所の福山地区(広島県福山市)で高炉1基を再稼働。日本製鉄も11月に室蘭製鉄所(北海道室蘭市)と東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)で、21年1月には東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)で高炉を1基ずつ再稼働した。ただ、フル生産には時間がかかるため、年間では大きく前年を割り込んだ。

米国は17.2%減の7270万トンだった。USスチールのほか、欧州アルセロール・ミタルも一時休止した米国の高炉を再稼働させたが、回復には時間がかかっている。

一方で、20年12月の世界64カ国・地域の世界粗鋼生産量は前年同月比5.8%増の1億6086万トンだった。7.7%増となった中国に加え、インドは4.4%増、韓国は1.2%増、欧州連合(EU)は10.2%増となるなど、足元では多くの国・地域で回復が顕著となっている。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン