クラウドファンディング各社、手数料下げ 緊急事態で

クラウドファンディング(CF)を手掛ける各社が緊急事態宣言の発令に伴い、調達額にかかる手数料を5%に引き下げた。新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた事業者を対象に、手数料を低くして資金を調達しやすくする。各社にとっては低い手数料でCFを試した事業者が、キャンペーン終了後も継続して利用してもらえるかが課題となる。
キャンプファイヤーなど5%に
資金を集める見返りに開発した製品などを送る購入型CFで大手のCAMPFIRE(キャンプファイヤー、東京・渋谷)は17%かかる手数料を5%に下げた。新型コロナで経営に打撃を受けている全国の事業者が対象となる。緊急事態宣言が解除されても事業者への影響は大きいとみて、手数料の引き下げは5月末までに申し込んだ事業者を対象とする。

キャンプファイヤーは2020年2月末から21年3月21日にかけて同様のキャンペーンを複数回実施していた。同期間において約5000の事業者が資金を調達し、集めた支援総額が107億円に達するという。2020年の1年間の支援総額が約200億円で、半分近くを同キャンペーン中に集めた。
社会貢献のために資金を集める事業者やNPOが多いREADYFOR(レディーフォー、東京・千代田)も全国の飲食店を対象に、通常のプランで12%かかる手数料を5%に引き下げる。26日に開始し、5月11日までに申し込んだ飲食店が対象。緊急事態宣言が延長されれば、手数料の引き下げ期間も延長を検討する。
レディーフォーは飲食店の支援で企業との連携も強化する。「(新型コロナ感染拡大の)慣れによって、20年に比べて飲食店関連の活動への支援は鈍化傾向にある」(レディーフォー)とみて、企業からの寄付金を呼び水に支援を厚くしたい考えだ。20年には味の素グループから600万円の寄付を受け付けており、連携企業を増やす狙いだ。
クラウドファンディング各社が手数料を軒並み5%に引き下げたことで、サービス間の競争が激しくなりそうだ。今回の措置では対象の飲食店などに5%の決済手数料のみを課し、各社が別で請求している5~12%のサービス手数料は無料とした。手数料の引き下げ期間中に事業者を獲得し、期間終了後も継続してCFを利用してもらえる取り組みが欠かせない。

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
■ワクチン・治療薬 ■国内 ■海外 ■感染状況 ■論文・調査 ■Nikkei Asia
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?
関連企業・業界