日本人のデジタル技術、韓国などに見劣り AWS調査

米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)日本法人はクラウドやデータ分析などデジタル技術のスキルに関する調査結果を発表した。日本の労働者が業務にデジタルを活用する割合は韓国やオーストラリアよりも低く、特に45歳以上のスキル習得が滞っているという。同社は「企業は競争力向上のために従業員のトレーニングを支援すべきだ」と呼びかけている。
日本、韓国、オーストラリア、インド、インドネシア、シンガポールを調査した。業務でデジタル技術を活用する日本の労働者の割合は58%で4位。60%台だった韓国やオーストラリア、シンガポールを下回った。
クラウドを採用したシステムを開発するなど高度なデジタルスキルに絞ると、日本の勤労人口の構成で多くを占める45歳以上のスキル習得が進んでいない実態が鮮明だ。高度なスキルを身につけた人材のうち、45歳以上は36%にとどまる。

AWS日本法人の岩田健一トレーニングサービス本部長は調査結果を踏まえて「企業はトップダウン方式でデジタル人材の育成組織を推進すべきだ」と述べた。デジタル技術は進化が速く、習得してもトレーニングを続けないとすぐに陳腐化する。「スキル習得を外部の研修に頼っていると、社内の人材が高度なデジタルスキルを維持できない」と指摘する。
AWS日本法人はクラウドの技術育成計画の立案などのメニューをそろえ、企業の人材育成の支援に力を入れている。育成支援を通じてクラウドの活用を促し、AWSの売り上げ拡大につなげる構えだ。
(島津忠承)