BMW、日本に部品拠点新設 EVバッテリー在庫拡充

ドイツのBMWの日本法人は25日、電動車向けなど部品の供給能力を高めた物流センターを千葉県印西市に開設した。全国の販売店や整備工場に対して一手に供給できるよう、専有面積を従来の施設の3倍に広げ、電気自動車(EV)などのバッテリーを保管する倉庫の広さも従来の8倍にした。同社は2021年後半に相次いでEVの主力車種を投入する予定で、部品の在庫からも準備を進める。
新部品センターの専有面積は従来運営してきた2つの物流拠点の合計の3倍にあたる約7万平方メートルで、東京ドーム1.5個分の広さに相当する。新拠点からの部品の配送は6月に始め、千葉県山武市、京都府八幡市にある従来の2拠点は順次閉鎖する。
EVやプラグインハイブリッド車(PHV)に使う高電圧バッテリーを保管する専用倉庫は、従来の8倍にあたる約1200平方メートルの広さにした。テニスコート6面分に相当する。バッテリーの在庫を豊富に持つことができ、全国の販売店に素早く供給できるようになる。

部品センターでは、ドイツから届くBMW車の部品を保管し、注文を受けると販売店や整備工場に配送する。販売店は必要に応じてセンターから部品を取り寄せ、交換需要などに対応する。
これら部品は、自動車のパワートレイン(動力伝達装置)の多様化に応じて求められる種類が豊富になってきている。BMWは今年後半に旗艦モデル「iX」やクーペ「i4」などEVを相次いで日本国内に投入する予定で、電動車のラインアップ拡充にアクセルを踏む。一方でガソリン車やディーゼル車の販売も当面は続ける方針で、複数のパワートレインの車種を同時に取り扱うことになる。
それぞれのパワートレインに対応した異なる部品の在庫をそろえる必要があり、部品センターの拡充に踏み切った。25日に開いたオンライン会見で、クリスチャン・ヴィードマン社長は「バッテリーの大型化への対応のみでなく、電動車の需要拡大に期待している」と語った。