ソニー、重さ715グラムの映像制作向けカメラ

ソニーは24日、本体の重さが715グラムと小型・軽量の映像制作向けカメラ「FX3」を3月12日に発売すると発表した。写真向けカメラと同等の大きさで、片手でも操作できる。動画配信サービスの増加や新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントのオンライン代替などで動画市場が拡大するなか、少人数の制作チームや個人のクリエーターの需要を取り込む。

カメラ内部の熱を放出する冷却ファンを新たに設計し、ハンドルを取り付けたときの重さを約1.0キログラムに抑えた。大きさは幅約13センチメートル、高さ約7.8センチメートル、奥行き8.5センチメートル。手ぶれ補正ユニットに熱を逃がしやすい素材を取り入れるなどカメラ全体の放熱経路を工夫し、動画を長時間撮影できる性能を維持しながら小型化した。
「フルサイズ」の画像センサーを搭載し、1秒あたり120コマの4K動画を撮影することができる。グリップ部分にズームレバーやボタン、ダイヤルなどを集約して片手でも操作できるようにした。自社のミラーレス一眼カメラと同じレンズの規格を採用しており、豊富なレンズラインアップを使うことができる。
希望小売価格は税別45万9000円で、3月2日から予約を受け付ける。ソニーは2020年冬にも映像制作向けの新機種を発売するなど、動画市場に注力している。FX3は同社の映像制作向けのラインアップでは最小・最軽量の機種となる。
これまで業務用の映像制作向けカメラはテレビ局などで使われる放送用の大型機器が主流だったが、「ユーチューバー」をはじめ個人や少人数の制作チームによる動画撮影が増加。小型機の需要が高まっている。新型コロナの影響でイベントや展示会を動画でオンライン配信する機会も増えており、使いやすさを売りに需要の取り込みを狙う。