武田薬品、米社ワクチン治験開始 21年後半に供給めざす
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武田薬品工業は24日、国内の自社工場でライセンス生産する米バイオ製薬ノババックスが開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、日本での臨床試験(治験)を始めたと発表した。武田は米バイオ製薬モデルナ製ワクチンも輸入するが、自社生産する別のワクチンを手がけることで安定供給につなげる。2021年後半の供給開始を目指す。
武田は20年8月、ノババックスとの提携を発表した。武田は200人規模の国内治験を実施し、日本人での安全性や効果を検証。治験結果は21年後半に出る見込みだ。日本で承認申請・取得を目指す。ノババックスから技術移転を受けた上で光工場(山口県光市)で生産する。年2億5000万回分(1億2500万人分)以上の生産体制を整える。
ノババックスは「組み換えたんぱくワクチン」を開発する。ウイルスの遺伝子情報をもとにして昆虫細胞を使ってワクチンをつくる。すでに海外で最終段階の治験を実施しており、英国治験では89.3%の予防効果が確認されたと発表した。

武田はモデルナ製ワクチンの国内治験も1月21日に始めている。200人規模でワクチンを2回接種するが、すでに1回目の接種は全員完了した。
新型コロナワクチンをめぐっては、日本政府は米ファイザー、英アストラゼネカ、モデルナの3社から供給を受ける契約を結ぶ。アストラゼネカ以外の2社は海外から全量を輸入する。コロナ禍が長期化した場合に備え、国内生産による安定供給が求められている。
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