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キユーピー、中国・広州工場の稼働を発表

キユーピーの広州工場

キユーピーは23日、中国南部の広東省広州市でマヨネーズとドレッシングの製造工場を2021年1月に稼働させると発表した。同国で4カ所目の工場となり、年間の生産能力は2割高まる。中国は新型コロナウイルスの流行が他国に先駆けて落ち着き、経済も回復傾向にある。再び成長軌道に戻った中国で増産体制を整え、旺盛な消費を取り込む狙いだ。

2億1400万元(約33億円)を投じて新工場を建設する。マヨネーズとドレッシングの生産能力は年1万2000トン増えることになる。新工場の敷地面積は約2万4500平方メートルで、同社としては中国で初めて自社倉庫も備えた。物流は傘下のキユーソー流通システム(東京都調布市)が担う。

キユーピーが広州に設立した広州丘比食品公司

製造ラインは自動化を進め、環境に配慮してエネルギー供給をすべて電気とする「オール電化」も導入した。工場内には見学スペースを設けて一般の消費者の工場見学も受け入れる。中国では工場を公開する企業が少ないともいわれるが、オンライン見学の開催も予定している。

キユーピーは1993年に北京で「北京丘比食品公司」を設立し、94年には中国でマヨネーズの販売を始めた。北京工場のほかに浙江省杭州の杭州工場、江蘇省南通市の南通工場と、相次いで生産拠点を拡充してきた。これまでは広州や深圳、香港などの華南地域は杭州工場から製品を輸送していたが、消費地に近い広州工場を稼働することで物流費の削減も見込める。

キユーピーは中国では「丘比」として知られ、2010年には中国のブランド認証制度で認証を受けるなど知名度も高い。家庭用マヨネーズのシェアでは北京市で90%、上海市で55%、広州で70%とされる。

中国は新型コロナの徹底的な封じ込めで1~3月の実質国内総生産(GDP)はマイナス6.8%と大幅に落ち込んだが、4~6月には3.2%とプラスに戻った。7~9月も4.9%となっている。

キユーピーでも7月以降、家庭用と業務用を合わせた中国事業の売上高がプラスに転じた。9月以降は前年比10%増で推移している。特に国慶節の大型連休では前年に700万人いた海外渡航者が出国規制で中国国内に残ったことで外食需要が高まり、前年比50%増と大幅な伸びを見せた。

それでもキユーピーの海外売上高は19年11月期で505億円と、全体の9%にとどまる。このうち中国事業は203億円だ。同じ調味料メーカーで海外展開を進めてきた味の素の海外売上高比率は5割超、キッコーマンは6割超に上る。

キユーピーが中国で販売するマヨネーズ

キユーピーは7月に米鶏卵加工品メーカーのヘニングセンフーズを売却した。9月にはシンガポールにマヨネーズやドレッシングの販社を設立するなど、サラダ消費が徐々に広がっている中国や東南アジアへのシフトを鮮明にしている。

アジアでは経済成長で食事も洋風化しており、サラダを食べる習慣も徐々に根付き始めた。21年11月期には海外売上高を588億円に拡大し、このうち中国事業を243億円まで引き上げる目標を掲げている。

(逸見純也)

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