LINEの健康相談、画像も投稿可能 規約では禁止
社長が23日夜会見

LINEが対話アプリで提供している医師との健康相談サービスで、規約では禁じている画像の投稿が可能であることがわかった。診療行為にならないよう、利用者向けの規約では画像を投稿しないよう呼びかけているが、機能は制限していない。
LINEは遠隔健康医療相談「LINEヘルスケア」のサービスを2019年12月から有料で提供している。医師とチャットでやり取りできるもので、利用者向け規約では画像や動画を投稿しないよう定めている。実際はチャットで投稿できるようになっており、患者の顔や患部の画像が投稿されるケースもあったという。LINEは「医師からも規約を説明してもらうなど配慮している」と説明する。
画像などのデータは韓国のサーバーに保管されていた。厚労省によると同様の健康相談について「データの保管方法を定めた指針などはない」という。LINEは利用者向けに「パーソナルデータを第三国に移転することがある」と明記していたとするが、利用者にもっと丁寧に説明すべきという指摘もある。
LINEは17日、氏名、電話番号や対話アプリでやりとりする「トーク」の文章は国内サーバーで保管する一方、投稿された画像、動画やキャッシュレス決済「LINEペイ」の取引情報などは韓国のサーバーに保管していると明らかにしている。取引情報には、導入店舗の銀行口座情報なども含まれる。
LINEは中国の関連会社から個人情報が閲覧可能だった問題などで、23日に個人情報保護委員会に報告を提出した。同日夜には東京都内で出沢剛社長が出席して記者会見を開く。17日の発表では韓国のデータ管理も含めて「適切な体制で管理している」として、不正アクセスや情報漏洩は否定。「ユーザーへの説明が十分でなかった」と謝罪したものの、「サービス価値を高めるため、海外拠点での開発は必要」と強調していた。