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ソフトバンク、対ドコモ鮮明 値下げ競争長期化も

新しい料金プランを発表するソフトバンクの榛葉淳副社長(22日)

携帯料金の値下げ競争が激化している。ソフトバンクは22日、2021年3月から料金を大容量プランで最大2割引き下げると発表した。NTTドコモが今月発表した新料金プランに対抗する。今後はKDDIや楽天の動向が焦点となる。ドコモとソフトバンクは小容量プランの料金改定に未着手であり、値下げの消耗戦が長引く可能性がある。

「かなり思い切った価格を提示した」。ソフトバンクの榛葉淳副社長は22日、発表会の場で自信をみせた。新料金は大容量プランで次世代通信規格「5G」と4Gともに月額6580円(税抜き)とし、5Gでは現行より約2割安くした。容量も50ギガ(ギガは10億)バイトから無制限に増やした。

データ容量の違いで単純比較はできないが、ドコモが18日発表した大容量プランと比べて、ソフトバンクは4Gが30円高いが、5Gでは同じ無制限で70円安い。ドコモより安くすることで5Gに顧客を誘導したい狙いだ。ソフトバンク関係者は「無制限プランは収益への影響が大きい半面、競争のため10円でも安くしないといけない」と値付けの難しさを説明する。

同時にオンライン専用の割安な新ブランドも立ち上げる。容量が20ギガバイトで月額2980円とドコモが発表した新プラン「アハモ」と同額に設定した。1回5分以内の通話無料や4Gと5Gがともに利用できるなど共通点が多く、LINEのトークや通話を使い放題にするなどで差異化を図る。

国内の20ギガバイトの料金は海外と比べて高いと指摘されていた。大容量プランと合わせて料金戦略でリードしたドコモの価格が携帯各社の値下げの基準になっている。

ソフトバンクの利用者は約1900万人にのぼり、今回の値下げの影響は大きい。600万人弱が利用する格安ブランド「ワイモバイル」の料金も見直し、12月下旬に開始予定だった20ギガバイトで4480円のプランは3780円に下げて21年2月から始める。

ドコモとソフトバンクが相次ぎ値下げプランを打ち出したことを受け、KDDIは対抗策の準備を急ぐ。KDDIの5Gの大容量プランの料金はデータ無制限で月額8650円であり、ドコモやソフトバンクの新料金と比べて2000円程度高い。21年1月に新料金を公表する計画だ。

楽天も対応が避けられない。楽天はデータ無制限で月額2980円で提供をしており、今回の値下げ競争で価格面の優位性が乏しくなる。携帯大手と比べて利用できるカバーエリアが狭いだけに、顧客の獲得ペースが鈍りかねない。

ドコモが火を付けた競争はKDDIと楽天の対応で終わらないとみられる。ドコモとソフトバンクは小容量プランの見直しを見送った。榛葉副社長は値下げの余地について「常にウオッチしながら状況をみていく」と含みを持たせる。KDDIなど他社の動向次第では追加値下げをする可能性がある。

料金の安さを売りにする仮想移動体通信事業者(MVNO)への影響が大きい。これまで一部時間帯で通信速度が遅くとも価格優位性から携帯大手と住み分けができていたが、価格の壁が低くなることで「大手からMVNOへの乗り換えが今まで以上に停滞する」(国内証券)との声もある。価格競争が消耗戦に陥れば、経営体力のある大手が有利になる。

(太田明広)

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