武田、中国で高血圧治療薬など売却 330億円で
武田薬品工業は21日、中国で販売している一部の医薬品を同国の製薬会社ハステンバイオファーマシューティックに売却すると発表した。売却額は3億2200万ドル(約330億円)で2021年6月末までに完了する。武田は19年にアイルランド製薬大手シャイアーを買収。がんや希少疾患などを重点領域に位置付ける一方、それ以外の事業は負債圧縮と事業領域の集中を名目に売却を進めている。
売却するのは、中国で販売している高血圧治療薬「エブランチル」を含む循環器疾患などの5品目。19年度の売上高は計約1億950万ドルに上る。販売に関わる人員も移籍するが、製造は武田が引き続き担う。エブランチルは11年に武田が買収したスイス・ナイコメッドの製品という。
武田は、シャイアー買収による負債圧縮に向けて計100億ドルの目標を掲げて資産売却を始めた。これまでにスイス・ノバルティスに医療用目薬事業を売却したほか、中近東やアフリカ、ロシアなどで医療用や一般用医薬品(大衆薬)事業の一部を売却してきた。既に最大113億ドルの売却にめどをつけているが、事業領域の集中などを名目にさらなる資産売却を進めている。
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