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21年の首都圏マンション発売、3割増の3万2000戸へ

都心・駅近物件の需要は根強い(勝どきで建設中のマンションのイメージ)

不動産経済研究所(東京・新宿)は21日、2021年の首都圏の新築マンション発売戸数が20年見込み比31.1%増の3万2000戸になりそうだと発表した。新型コロナウイルスの影響で大幅減となる20年からは回復する見通しだ。コロナ下で広がった郊外人気がどこまで続くかや、住宅ローン減税の適用拡大による物件対象の変化が注目を集める1年になりそうだ。

地域別にみると、東京23区は前年比30.8%増の1万4000戸を見込む。神奈川県(34.6%増)や埼玉県(48.1%増)を含めて全エリアで発売が増える見通し。21年が前年比プラスになれば3年ぶりだ。20年は新型コロナによる営業活動の一時停止などが響き、通年の発売戸数が2万4400戸と、バブル崩壊から間もない1991年の2万5910戸を下回る公算が大きい。

21年の注目点の1つが郊外物件の需要動向だ。「郊外を選ぶ動きは一時的でなく、選択肢の1つとして続く」(三井不動産レジデンシャルの藤林清隆社長)との声が聞かれるなかで東京建物などは21年春、京王線の聖蹟桜ケ丘駅から徒歩4分の立地に大型物件を販売する予定。野村不動産なども横浜市内で「プラウドシティ」の新たなマンションを売り出す。

地価や建築コストの上昇で1戸当たりの平均価格は上昇しているが、都心・駅近物件の人気は根強い。三井不動産は21年に千代田区や渋谷区で高級物件「パークコート」を販売する計画だ。

それでもコロナ下の20年はファミリー層を中心に、在宅勤務しやすい郊外物件を探す動きが強まった。不動産助言会社トータルブレイン(東京・港)の杉原禎之副社長は今後の郊外物件について「駅からの距離や広さ、価格のバランスが一段と重要になる」と話す。

機能面への関心も高く、今年は非接触アイテムに注目が集まった。テレワークに適した設備の需要も引き続き大きい。コワーキングスペースや顔認証システム、外出先でもエアコンや照明を操作できるIoT機器などを導入する動きが強まりそうだ。

顧客の購入姿勢は今後どうなるのか。不動産経済研究所が発表した11月の首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比15・3%減の2790戸だった。大型目玉物件の売り出しが少なかったとされるが、発売月に売れた物件の割合を示す契約率は58・1%と10月の70・4%から低下し、好不調の目安とされる70%も大きく下回った。

今年は緊急事態宣言後に、より広いマンションや住環境の良い場所に移ろうと短期間で候補を探してマンションを購入する動きが相次いだ。秋商戦でも同様の動きはあったが、11月の結果を踏まえて松田忠司主任研究員は「一服感が出ている」との見方を示した。新型コロナ流行以前のように消費者が時間をかけて選ぶ状況に戻れば、不動産会社関係者などが予想するほど需要が増えない可能性もある。

不動産各社の社長の多くは「21年も先行きの不透明感は続く」とみている。住宅ローン減税の適用拡大で40~50平方㍍の小型物件の人気が高まるとの見方もある。不透明感を払拭するには消費者の声を的確に拾い集め、最適な提案を出せる力が必要だ。

(原欣宏、小田浩靖)

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