富士通、マスク着けても高精度の顔認証を可能に

富士通は21日、マスクを着けたままでも高精度に本人確認ができる顔認証技術を開発したと発表した。マスクの着用時を想定した画像を作成して学習させ、認証精度を99%以上に高めた。同社の手のひら静脈認証と組み合わせ、100万人規模の中から個人を特定できるという。店舗での「手ぶら決済」に使える認証技術として、2022年3月末までに実用化することを目指す。
同社は川崎市内の拠点にあるローソンでレジ無し店舗の実証実験を進めており、そこで新技術を取り入れる。現在は顔認証と手のひら静脈の読み取りを組み合わせて本人を特定しているが、マスクを着けていると数%の確率で認証できない場合があった。
新技術では登録された顔画像に疑似的にマスクを着用させて学習させ、同一人物として認証しやすくなる。認証の精度はマスクを着けていない場合と同程度で、様々な形や柄のマスクにも対応できるという。新型コロナウイルスの感染拡大で非接触技術やマスク対応の必要性は急速に高まっており、生体認証を活用した決済システムなどとしての需要を見込む。
他社の取り組みではNECも目の周辺部分の特徴を抽出してマスクを着用したままでも高精度に本人確認ができる技術を開発し、入退室管理などでの活用を提案している。
(水口二季)