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日立、非接触の指静脈認証サービスで「手ぶら決済」支援

3本の指の静脈パターンを非接触で認証する

日立製作所は2日、指の静脈パターンを非接触で認証する装置を提供するサービスを9日に始めると発表した。パソコンの内蔵カメラや外付けカメラで指静脈の認証ができるソフトウエアの開発キットも用意し、生体情報データを暗号化できる独自技術と組み合わせた認証サービスとする。東芝テックをはじめとする企業と連携して小売店などに売り込み、生体認証サービス全体で今後5年で合計500億円の売上高を目指す。

指を触れず赤外線で静脈の形状パターンを抽出、認証する装置「C-1」を開発した。人さし指と中指、薬指を登録すると約2センチメートル離れた状態で個人を認証できる。生体情報をクレジットカードとひもづければ「手ぶら決済」も可能になる。

QRコードを読み取る機能もあり、量販店や各種施設で決済や入退館に使うことを見込む。C-1の価格は1台につき税別12万円。拡販のためPOS(販売時点情報管理)レジ最大手の東芝テックや、入退管理ゲートを販売するクマヒラ(東京・中央)と連携する。

日立は2020年10月に指静脈など生体認証の基盤サービスを始めている。生体情報を復元困難な形に暗号化してクラウド上で一元管理し、認証や決済ができる独自技術の「公開型生体認証基盤(PBI)」を使うのが特徴。クラウド上のデータが万が一漏洩しても生体情報は復元できないため、第三者の「なりすまし」を防げるという。

20年12月からは日立の横浜事業所にある食堂やカフェで、指静脈情報とクレジットカード情報をひもづけたキャッシュレス決済を導入している。ただし利用には指1本を装置に触れる必要があり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で高まる非接触の需要を受けて新たな装置を開発した。

3本の指を登録することで、従来製品より正確に本人を特定できるという。従来製品は100万回に1回の割合で、他人の生体情報と照合したときも受け入れてしまう。それに対しC-1は6250万回に1回と、より高い精度で個人を見分けられる。これでユーザー数が100万人を超えるような大規模店舗などでも使えるようにした。

照合にかかる時間は処理サーバーの性能にもよるが、平均で2秒程度。非接触の静脈認証では富士通が手のひらを使った製品を提供しているが、日立は「100万人を超える規模の実用に耐える精度や速度で、生体情報の漏洩リスクもないサービスは当社だけだ」と説明している。

パソコンのカメラで指静脈を認証するソフトウエアの開発キットも提供する。カメラが捉えた可視光の情報から静脈の形状パターンを色で判別する仕組みだ。精度確保のため登録する指は4本必要だが、カメラから7~8センチメートル離れた距離でも認証できるという。企業が自社で使う業務システムの認証や、電子署名や電子申請による「はんこレス」を手軽で安全に実現できるように支援する。

(井原敏宏)

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