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米欧で高まる物価上昇圧力の背景は?

2021年2月18日の日本経済新聞朝刊1面に「コロナ下 インフレの芽」という記事がありました。新型コロナウイルス下で米欧を中心に物価上昇圧力が高まってきています。なぜ今、物価高が進む可能性が高まっているのでしょうか。

ここが気になる

米欧を中心に物価上昇圧力が高まっているのは、新型コロナウイルス禍で多くの製品の供給力や輸送力が細る中で需要が回復しているためです。コロナ禍で一時、世界経済は需要が蒸発する危機に直面しました。需要の急減を受けて、製造業は工場を休止するなど供給を絞りました。しかし昨夏以降は需要が回復しつつあり、今はその急収縮からの回復の途上です。需要回復に供給が追いつかないことが物価上昇圧力の一因となっています。実際、アメリカの1月の物価上昇率は1.4%とコロナ前の水準に迫っています。

供給制約が続く中で、テレワークなどの巣ごもり需要が高まっている一部の家電販売の回復が顕著です。テレビの世界出荷は20年7~9月期で前年同期比14%増、パソコンは10〜12月期に26%増と拡大が続いています。世界の自動車販売も昨年12月には前年の水準を上回りました。需要の高まりを受けて世界の素材相場も上昇しています。家電や自動車に広く使う鋼材の熱延コイルは東アジアの取引価格が20年春の底値より7割高くなっています。テレビの汎用部材の液晶パネルの国際価格も20年初めに比べ8割ほど高くなっています。

今後、ワクチンの普及や内需を刺激する財政出動が続けば、一時的に過度なインフレにつながる懸念があります。アメリカのサマーズ元財務長官はバイデン政権の経済対策を過大と批判し「インフレリスクに警戒すべきだ」と主張しています。金融市場では物価高と連鎖して長期金利の上昇も進んでいます。回復途上の実体経済を支えつつ、一時的な需給のひずみも映す物価や金利の上昇をどう制御していくのか。金融政策を巡り難しい判断が今後、各国に求められることになりそうです。

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この記事をまとめた人:篠原英樹
2008年入社。小売業やサービス、放送業界などの取材を経て、現在は日経電子版のコンテンツマーケティングを担当。今、一番欲しい家電は「iPad Pro 11インチ」です。

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