清水建設、高層ビル工事にロボット 500人規模の省人化

清水建設は17日、同社最大の工事現場である「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の工区でロボットを使った施工を始めたと発表した。まずは人工知能(AI)を備えた溶接ロボットを14台導入し、溶接量全体の15%を自動化する。大型現場でロボット施工の性能を示し、ロボットの本格的な展開に弾みを付ける。
虎ノ門・麻布台プロジェクトは森ビルが手掛ける大型再開発。完成時には清水建設が施工するメインタワーは日本一の高さになる。
導入した溶接ロボ「Robo‐Welder」は清水建設が大阪大学と共同で開発した。人の腕のように動くアームにレーザーセンサーと溶接作業をする部位が取り付けられている。センサーが溶接箇所の形状を検知し、AIが解析して適切な溶接の手順を判断する。
正確な溶接作業は高度な技術を要する上、高温を発するため夏場は熱中症の危険も伴う。清水建設によると溶接ロボット活用により同現場で500人程度の省人化ができるという。
清水建設は建設工事でのロボット活用を推進しており、同現場では夏以降に資材の自動搬送ロボットや巡回ロボットも活用し始めるという。建設業では若手人材の呼び込みが課題だ。重労働をロボットに置き換えることで労働環境を改善し、業界の魅力を高めたい狙いがある。