アイロボット、ルンバ新製品を日本市場に投入

米アイロボットの日本法人、アイロボットジャパン(東京・千代田)は17日、ロボット掃除機「ルンバ」の新製品2機種を26日に発売すると発表した。価格を抑えつつ上位機種に搭載されている最新の機能も盛り込んだ。新たな価格帯の製品を投入して、より幅広い消費者からの需要を取り込む狙いだ。

「ロボット掃除機を浸透させていくために非常に重要な製品だ」。オンライン発表会に登壇したアイロボットジャパンの挽野元社長は意気込む。今回発表した「ルンバ i3+(プラス)」と「ルンバ i3」で狙うのは、結婚を機により広い間取りの家に引っ越すなど生活環境が変わる若い家族層だ。
新製品では最新の機能を盛り込みつつ価格を抑えた。機能面では廉価版モデルと比べて10倍の吸引力を実現し、効率よく部屋を掃除するなどの上位機種で採用されている最新の機能を盛り込んだ。価格面では掃除を終えたルンバから自動でゴミを吸い上げる機器が付いた「i3+」を公式オンラインストアで9万9800円で発売し、上位機種と比べて価格を抑えた。
合わせて説明した2020年12月期の業績でも日本市場の売上高は前年比20%増と好調だった。昨年発売した最上位機種の「ルンバ s9+」など高級機種の売れ行きが好調だったほか、自社サイトで提供するロボット掃除機の定額課金制によるレンタルサービスの利用も伸びた。1人あたり10万円の特別給付金や在宅時間の増加による「巣ごもり消費」が追い風となった。
同社は日本市場で23年までに10%の世帯普及率を目指している。21年1月末時点では7.2%まで高まっているとしており、新製品の投入で新たな消費者層からの需要を取り込み、目標の達成を狙う。(菅野気宇)