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「ジャパニーズウイスキー」の定義 業界団体が作成

日本洋酒酒造組合(東京・中央、神田秀樹理事長)は国産ウイスキー「ジャパニーズウイスキー」の定義を初めて決めた。日本国内で採取された水を使用するほか、国内での蒸留などの要件を定めた。2021年4月1日から運用を始める。国産ウイスキーを巡っては酒税法に定義がなく、海外で製造された輸入ウイスキーの原酒を国内で瓶詰めした製品が「ジャパニーズウイスキー」を掲げて国内外で流通している。組合の自主基準であり、違反しても罰則はないが、国際的な評価が高まる中で、ブランド価値の毀損を防ぐ狙いだ。

英国の「スコッチウイスキー」などの定義などをもとに、12日に開かれた理事会で決定した。神田理事長は「ジャパニーズウイスキーの定義を明確化し、国内外に明らかにすることによってお客様の混乱を避け、日本で独自に進化してきたウイスキーの価値を引き続き訴求する」とコメントした。

ジャパニーズウイスキーを名乗るための主な要件は①原材料は麦芽を必ず使用し、日本国内で採取された水を使用すること、②国内の蒸留所で蒸留すること③原酒を700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること④日本国内で瓶詰めすること――の4つだ。

この定義に基づくと、ウイスキー大手のジャパニーズウイスキーは、サントリーホールディングスは「響」「山崎」「白州」「知多」「ローヤル」「スペシャルリザーブ」「オールド」、海外市場向けの専用商品「季(TOKI)」の8ブランドが対象になる。アサヒグループホールディングス傘下のニッカウヰスキーは「竹鶴」「余市」「宮城峡」「カフェグレーン」4ブランド、キリンホールディングスは「富士」1ブランドと、蒸留所限定などがそれぞれ対象となる。

国内で洋酒製造の免許がある82社が順守する。ラベルを変更するなど、企業の対応のために3年間の経過期間を設けているが、早期の順守を求める考えだ。小規模生産のクラフトウイスキーメーカーなど未加盟の企業に対しては、まずは同組合への加入を呼びかけ、基準の順守を働きかける。

課題は、今回制定した組合の自主基準をどのように順守し、海外に普及、認知を拡大するかどうかだ。「ジャパニーズウイスキー」の定義が日本の酒税法にもなく、輸入したウイスキー原酒で製造された商品も海外では「ジャパニーズウイスキー」として流通しているのが現状だ。同組合は「当組合のホームページに英語版で公開した。海外のバイヤーや一般の消費者も、参考にしてもらいたい」という。

ウイスキー文化研究所(東京・渋谷)の土屋守代表は「画期的な出来事だ」と歓迎する。「国内の消費者や、海外のウイスキーファンにも時間がかかるかもしれないが、この定義が広まることで、(海外原酒をジャパニーズウイスキーと名乗ることには)かなりの抑止力になる」とみる。

国産のウイスキーは2001年以降、欧州での品評会で高評価を受けるようになり、08年にハイボールでウイスキー人気が復活してからは、供給が需要に追いつかないのが課題だ。原酒不足のため、年代物の一部商品の販売を休止するなどし、貯蔵庫を増設するなど対応を進めている。

(後藤健)

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