凸版印刷、ネットでくずし字解読 画面共有で共同編集

凸版印刷は古文書の「くずし字」を共同で解読できるオンライン上のシステムを開発した。人工知能(AI)を使って9割以上の精度で江戸時代までに書かれたくずし字を認証。複数の人で画面を共有し、編集、解読することができる。大学の授業やイベントでの利用を見込む。
サービス価格は大学の授業で利用する場合は半年間で10万円から。ワークショップやイベントは1回あたり20万円から、研究者間での翻刻会は月額7万円からとする。教育機関や博物館、自治体などに販売する。9月までに一般家庭向けのサービスも始める。2024年3月期までに約10億円の売り上げを目指す。
同社は15年から、くずし字で書かれた古文書や古典を光学式文字読み取り装置(OCR)を使って読み込み、現代語に判別するサービスを展開している。今回はネット上で書籍のくずし字と判別した後の現代語の画面を複数人で共有して見ることができるシステムを開発した。
画面上ではくずし字に線を引いて現代語を編集したりコメントをつけたりできる。参加者同士のチャット機能や、講師への質問機能もあり、授業やワークショップで活用できる。
くずし字は時代や書き手によって異なるため、新たにAIで解読済みの古文書からくずし字を学習し解読の精度を上げられるようにした。