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日本鉄鋼連盟、50年にCO2実質ゼロ方針

日本鉄鋼連盟(鉄連)は15日、製鉄工程で排出する温暖化ガスについて2050年に実質ゼロを目指すと発表した。18年に公表した長期目標で業界として2100年の実質ゼロを掲げていたが、政府が50年に照準を定める中で大幅に前倒しする。

鉄連が実質ゼロ達成に向けた切り札の1つに位置づけるのは、「水素製鉄法」と呼ばれる技術だ。基幹設備の高炉による製鉄は現在、石炭を原料としたコークスで鉄鉱石を還元して鉄を作るため多くの二酸化炭素(CO2)を排出する。水素製鉄法は酸素を取り除く還元剤のコークスを水素に置き換える。実用化できれば、従来方式よりCO2を大幅に削減することができる。

すでに日本製鉄やJFEスチールなど国内の鉄鋼大手は、日鉄の東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)で実証プラントを使った実験に取り組む。CO2の排出を現行より3割減らせる製鉄法を確立する考えだ。

国立環境研究所(茨城県つくば市)によると、国内の19年度のCO2排出量(速報値)の10億3千万トンのうち、製造業は3億6400万トンを占めた。このうち鉄鋼業は最も多い1億5500万トンを排出した。脱炭素を求める声が強まる中、排出を減らす新技術の開発に迫られている。

ただ水素製鉄法の実用化には技術開発だけでなく、安価な水素を大量に調達するための基盤整備も必要だ。鉄連自身も「ハードルが高い」と指摘し、新製法の確立へ水素供給インフラの構築や研究開発への財政的支援などを政府に要望した。また温暖化ガスの排出に価格を付けるカーボンプライシングの導入は、イノベーションを阻害するとの見解を打ち出した。

鉄連のエネルギー技術委員会の手塚宏之委員長は同日の会見で「鉄鋼業の外で起きる変化やイノベーションなどと相互に関連する問題だ」と述べ、業界の努力だけでは限界があるとの認識を改めて示した。

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