エナジードリンク「レッドブル」、最大51円値下げ

レッドブル・ジャパンは2月1日からエナジードリンク「レッドブル・エナジードリンク」を最大で51円値下げする。エナジードリンクは市場は拡大が続き、足元でもコロナ下で定着してきた在宅勤務時のリフレッシュ目的で購入する人が増えている。エナジードリンク市場を切り開いてきたレッドブルだが、最近は競合商品と比べた割高感から苦戦が続いていた。大幅値下げで巻き返しを目指す。
2月から250㍉㍑缶の希望小売価格を現在の税別241円から190円に引き下げる。330㍉㍑は268円から235円に、355㍉㍑は292円から245円に値下げする。
「レッドブル・シュガーフリー」も同様に250㍉㍑で241円から190円に値下げする。185㍉㍑サイズは終売する。

大幅値下げに踏み切ったレッドブルだが、その裏側には、日本ではアサヒ飲料が手がける「モンスターエナジー」の存在がある。モンスターエナジーは355㍉㍑で190円とレッドブルに比べ割安だ。価格はレッドブルの小型缶と同額で、レッドブルが小型缶を終売する理由もここにあると見る関係者は多い。
エナジードリンク市場をけん引してきたレッドブルだが近年はモンスターエナジーに押され、販売量も伸び悩んでいる。飲料総研(東京・新宿)によると2018年のモンスターエナジーの出荷数量は17年比29%増の940万ケース。レッドブルは16%増の800万㌜にとどまり、初めてシェア首位が入れ替わった。19年にはレッドブルは790万㌜と初めて減少に転じた一方で、モンスターエナジーは29%増の1210万㌜と差が拡大している。

20年以降も両者の差は拡大しているとみられ、飲料総研の宮下和浩氏は「モンスターエナジーの方が容量も大きく、レッドブルから消費者が流れてしまっている」と指摘する。
富士経済(東京・中央)によると、エナジードリンク市場は21年に11%増の835億円にまで拡大する見通し。11年と比べ市場規模は6倍に膨らんだ。エナジードリンクはレッドブルとモンスターエナジーの2商品がほぼ市場を独占している。コロナ下の巣ごもりや在宅勤務でエナジードリンクの需要はさらに高まっており、販売競争は激しさを増しそうだ。
(逸見純也)
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