ファミマ、新社長に細見氏 澤田社長は副会長に
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ファミリーマートは13日、伊藤忠商事の細見研介執行役員(58)が2021年3月1日付で社長に就任すると発表した。澤田貴司社長(63)は代表権を持つ副会長に就く。伊藤忠はTOB(株式公開買い付け)成立でファミマを実質的な完全子会社にした。体制を刷新し、飽和感が強まるコンビニ市場での競争力強化を急ぐ。
16年9月に旧ファミリーマート社長に就任した澤田氏はM&A(合併・買収)で膨らんだ不採算店舗の閉店や社員の1割に相当する希望退職の募集など構造改革を進めた。店舗数の頭打ちなどコンビニの事業モデルが転換期を迎える中、24時間営業の原則を見直すフランチャイズチェーン契約の改定など今後の店舗運営の道筋をつけた。
細見氏は1986年に伊藤忠に入社。伊藤忠の祖業である繊維畑が長く、マーケティングにも精通している。19年7月から小売り関連のグループ会社を束ねる「第8カンパニー」のトップを務める。ファミマの決済アプリ「ファミペイ」の顧客基盤を軸とした新サービスの創出など加盟店と新たな成長を目指す。
高柳浩二会長(69)は会長職のまま代表権は外れる。
細見 研介氏(ほそみ・けんすけ)86年(昭61年)神戸大経営卒、伊藤忠商事入社。10年ブランドマーケティング第3部長、17年執行役員。