JDI、菊岡社長が退任会見「ワントップでスピードを」

ジャパンディスプレイ(JDI)は10日、菊岡稔社長兼最高経営責任者(CEO)が12月31日で退任すると発表した。スコット・キャロン会長がCEOを兼務し、社長は空席となる。権限を集中させて意思決定を迅速にできる体制を整える。同日のオンライン記者会見で、2人との主なやりとりは以下の通り。
菊岡社長「JDIには4つの課題があった。財務基盤の再構築、ガバナンスの再構築、新型コロナウイルス対応、事業基盤の再構築だ。最初の2つはめどが立ち、コロナの影響も抑えられている。最後の大山である事業基盤の再構築が残っていることは認識しており、無念な気持ちもある」
――なぜ、このタイミングなのですか。
菊岡社長「この数カ月間、どのタイミングが一番いいか模索していた。私とスコット会長とは一枚岩で、私が残っていようがいまいが変化はない。ツートップよりワントップの方がスピードが出るという1点だ」
――今後の変化は。
キャロン会長「スピード感を持って経営再建を進める。二人三脚でもシナジー効果はあるかもしれないが、レースに勝ちたいと思えばしない」
――不正会計問題についての総括は。
菊岡社長「資金調達に集中していたため私は全く知らず、判明したときは驚いた。ウミを出し切るため、率先して解明の陣頭指揮をとってきた。間違っていなかったと宣言できる」
――社長が空席の体制は長く続けますか。
キャロン会長「その理解で結構だ。いずれはJDIのため尽力した生え抜きで技術系の人物を社長にしたいが、それまでは私が全力を尽くす」
(矢尾隆行)
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