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世界都市力、東京は5年連続3位 遠のく首位ロンドン

ロンドンは都市力の世界首位を維持した

森ビルのシンクタンク、森記念財団都市戦略研究所(東京・港)は8日、2020年の「世界の都市総合力ランキング」を発表した。9年連続で首位はロンドン、2位はニューヨークだった。東京は5年連続で3位だったが、スコアで上位都市から引き離された。新型コロナウイルス感染が拡大している中、来年に予定されている東京五輪で人や経済の動きをどこまで戻せるかが今後の成長の鍵となる。

08年から発表しているランキングは公的機関や民間の統計資料などのデータを分析し、主要48都市を「経済」や「文化・交流」などの6分野70指標で評価する。主に1年前のデータを使うため、今回の結果に新型コロナウイルスの影響はほとんど反映されていない。

東京の総合スコアは19年比35.7㌽低下の1386.5で、ロンドン(1661.1)とニューヨーク(1514.9)にさらに引き離された。4位はパリ、5位はシンガポール。トップ5は19年から動かなかった。

東京は経済の分野で4位を維持したが、英語の能力といった「優秀な人材確保の容易性」の指標は評価を落として5位のシンガポールに追い上げられた。「国内総生産(GDP)成長率」や「法人税率の低さ」といった指標でも十分な評価を得られなかった。「居住」の分野では在宅勤務のしやすさといった「働き方の柔軟性」の指標でスコアを下げ、順位を11位から12位に落とした。

一方で「環境」の分野は新規指標の「1人あたりCO2排出量の少なさ」や「都市空間の清潔さ」が高スコアで、23位から18位へ順位を上げた。ただし「再生可能エネルギー比率」や「緑地の充実度」が課題となっている。「交通・アクセス」の分野も順位を1つ上げて7位だった。

東京はここ10年弱で文化・交流、交通・アクセスを伸ばしてきたが、経済、環境は徐々に競争力を落としている。森記念財団理事の市川宏雄・明治大学名誉教授はコロナの影響で働き方が多様化したことなどを踏まえ「どこでも働ければ人々は住みやすいところに重点を置き、楽しさや安全安心、環境も含め総合的に評価するようになる」と指摘する。東京は他の都市に比べて6分野のバランスが良く、総合的に改善することが浮上の鍵となるという。

ロンドンは文化・交流と交通・アクセスが1位で、EU離脱による経済への影響やコロナによる観光業への打撃への対応が今後の成長の鍵を握る。ニューヨークは経済が4年連続で1位で「研究・開発」の分野は12年連続で1位だが、居住で31位から2つ順位を落とし、今後は新大統領の政権運営に注目が集まる。

パリは「法人税率の低さ」の指標が改善して経済が21位から17位に上昇したが、居住と交通・アクセスでは首位から陥落した。

シンガポールは文化・交流以外の全分野で順位を上げた。6位から順位を1つ上げた経済では「ワークプレイス充実度」の指標の定義をデスク面積から通信速度に変更したことで大きく伸び、4位の東京と差を縮めた。都市空間の清潔さや、交通・アクセスの新規指標の「タクシー・自転車での移動のしやすさ」が高評価だった。

19年に30位だった上海は全6分野で順位を上げて10位。ワークプレイス充実度で伸び経済の分野が16位から11位に上昇した。

(小田浩靖)

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