サムスン、20年の営業益29%増 コロナ禍も半導体けん引

【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が8日発表した2020年通期の連結決算は、営業利益が35兆9500億ウォン(約3兆4100億円)と19年比29%増だった。増益は2年ぶり。世界的なオンライン生活の浸透でデータセンターやパソコン向け半導体の需要が堅調だった。主要市場の都市封鎖の影響で、年間のスマートフォン販売は振るわなかった。
売上高は3%増の236兆2600億ウォン(約22兆4500億円)だった。新型コロナウイルスの影響下で世界経済が落ち込んだものの、増収増益を達成した。純利益や事業部門別の収益などは1月末に発表予定の決算確報値で公表する。

同日発表した20年10~12月期の業績は、売上高が前年同期比2%増の61兆ウォン、営業利益が26%増の9兆ウォンだった。韓国アナリストの事前の営業利益予想(平均値)からは6%下回った。半導体メモリーのDRAM販売が好調で、米アップルのiPhone向け有機ELパネルの出荷も伸びたものの、為替がウォン高に振れたことで営業利益を押し下げた。
20年通期の増収増益の原動力は半導体メモリーの旺盛な需要だ。ビデオ会議や遠隔授業などでデータ通信量が急拡大し、世界でデータセンター投資が活発だった。パソコンやタブレット端末の売れ行きも好調で、構成部品の半導体の販売増につながった。各市場で在宅時間が延びたことでテレビや家電の販売も好調だった。
一方でスマホは伸び悩んだ。特に米欧やインドなど主要市場での都市封鎖の影響で、4~6月期の販売が振るわなかった。足元の感染再拡大によってスマホ部門には再び暗雲が漂い始めている。
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