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東芝や三菱重工、原発技術伝承「2030年の崖」まとめ読み

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故からまもなく10年を迎えます。国民の原発に対する信頼が崩れた結果、原発の再稼働は進まず、原発新増設やリプレース(建て替え)の議論も滞っています。政府が2050年までに温暖化ガス排出実質ゼロを実現するとした目標では、原発をこれからどう位置づけ直すかが焦点のひとつです。

ただ、原発のものづくりの現場では、技術・技能の伝承が最大の課題として浮上しています。この10年で技術・技能伝承の機会が失われました。さらに大震災から20年後の2030年ころには熟練人材の多くが現場を離れます。原発政策の見直し論議が始まるなか、政策実行の担い手の一角を担う原発サプライチェーンへの目配りも欠かせません。原発ものづくりの技術・技能伝承に苦闘する現場を追った日経産業新聞の連載企画「原発技術 2030年の崖」をまとめました。

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日本製鋼所M&Eでは圧力容器に使う巨大な鋳鍛鋼製品などを手掛けてきた

東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故から3月で10年。原発新設が滞るなか、技術・技能の伝承に危機が忍び寄ってきた。伊勢神宮は文化や技能を残すため、20年に1度、社殿と神宝を新調する「式年遷宮」を行う。ものづくりの伝承は式年遷宮に例えられるが、震災から20年後の2030年ころには熟練人材の多くが現場を離れる。崖が迫る日本の原発サプライチェーンの今を追った。

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東芝は原発事故後、実際の生きたプラントでの現場が減少し、技能伝承に苦慮している

東芝のエネルギー事業子会社、東芝エネルギーシステムズの「磯子エンジニアリングセンター」(横浜市磯子区)。原子力発電事業の中核拠点である同センターの一室には、原子力発電所の操作室を模したシミュレーターが設けられている。

横7・6㍍、縦2・7㍍のスクリーンには、実際の発電所の3次元(3D)CAD(コンピューターによる設計)が映される。パソコン画面7台には計器やボタンなどが表示され、操作による動きをCAD画面に連動して反映させることもできる。原子力発電所が津波に見舞われた場合の状況なども再現でき、設計だけでなく、機器の製造などに携わる技術者もシミュレーターを使った研修を受けに来るという。

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日本原電は日々の訓練を通じて技能の伝承に努める

東日本大震災から10年の道のりは、原子力発電所を運営する電力会社にも厳しかった。世界で最も厳格な安全基準への対応に苦慮し、震災前に54基が稼働していた原発は足元で9基の再稼働にとどまる。学生による原発産業への関心も薄れるなか、原発の運営ノウハウを次代につなぐため、業界総出で知恵を絞る。

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