三菱重工、ノルウェーの世界最大級施設でCO2回収試験

三菱重工業は4日、ノルウェーの世界最大級の二酸化炭素(CO2)回収実験施設で5月にもCO2回収の実証試験をすると発表した。これまでより摩耗が少ないCO2吸収液を活用することで、コストを抑えた運用が実現できるかどうか耐久性などを試す。脱炭素を背景に世界的にCO2回収のニーズが高まっており、効率的な回収方法を実用化する。
三菱重工傘下の三菱重工エンジニアリング(横浜市)が、世界最大級のCO2回収実験施設を運営するノルウェーのモングスタッドCO2回収技術センターと、5月から夏まで実証試験をすることで合意した。同施設では石油精製工場から出るガスからCO2を回収する。実証試験の期間中に約8千トンのCO2を回収する。
三菱重工が関西電力と共同開発した、独自のCO2吸収液の商用化を目指す。吸収液の摩耗のしやすさに当たる揮発性が従来より4~5割改善するため、コストが抑えられるという。今回の実証実験を通じて英国や欧州市場での受注拡大を目指す。