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コロナ下経営、中韓で明暗 日中韓経営者アンケート

中国「楽観」5割、韓国「悪化」6割

コロナ禍でも中国の新車販売は堅調だ(広東省広州市のトヨタ販売店)

新型コロナウイルスの世界的な流行が続くなか、経営の先行きについて中国、韓国の経営者の見方が割れている。日本経済新聞社が中韓の有力紙と実施した「日中韓経営者アンケート」では、韓国の約6割が2021年も「悪い」とした一方、中国は半数が楽観視する。自国の景気対策への評価も異なるなど経営者心理で明暗が分かれた。

「自動車産業は新型コロナで低迷した経済の中でエンジンの役割を果たした」。独フォルクスワーゲンと中国第一汽車集団の合弁販売会社の馬振山・執行副総経理は20年12月、業界団体の会合でこう述べた。

中国では湖北省武漢市で新型コロナの感染者が発覚して以降、地区の封鎖や外出制限の徹底といった厳格な防疫体制を敷いて感染拡大を抑えた。同時に自動車の購入助成などの景気対策を取ったことで、20年12月の新車販売台数(予測値)は前年同月比5%増と、9カ月連続のプラスで推移。実質国内総生産(GDP)は20年4~6月、7~9月ともにプラス成長となり、世界に先駆けて景気が回復した。

中国は日本や韓国よりもネット経済が生活に浸透しており、新型コロナはこうした流れをさらに加速させた。騰訊控股(テンセント)の馬化騰・最高経営責任者(CEO)は20年7~9月期の好決算を受け「公共衛生(新型コロナ)などに直面しながらも、イノベーションを深化させる」とする。アリババ集団などを含むIT(情報技術)企業の躍進も経済にプラスとなった。

対する日韓は20年後半にかけて感染拡大の第2波、第3波と続き、日本では21年1月に1都3県で緊急事態宣言が発令された。景気回復の機運は乏しく、多くの業種が経営難に苦しんだままだ。こうした経済情勢がアンケート結果にも反映された。

21年のコロナ禍が経営に「非常に悪い」「やや悪い」と答えた経営者は、韓国で計62.7%。日本も計89.6%に上った。中国は計39%だったが、「影響がない」が31%、「やや良い」「非常に良い」で計30%となり、温度差が際立った。

世界経済の見通しでも、中国は53%が「急速に回復する」と回答した。韓国は「緩やかに回復」(55.7%)が最多で、「急速に回復する」は11.3%にとどまった。韓国・全国経済人連合会の劉煥翊常務は、世界的な景気低迷で「輸出の比重が高い韓国経済には否定的な影響が続くと予想される」とみる。

こうした両国の経営者心理に差が出た要因の一つとして、自国政府の景気浮揚策への評価が浮かぶ。新型コロナのような世界的な問題は、政府の対策が欠かせない。中国は「非常に良い」が76%となり、「良い」も20%に達した。自由な発言がしにくい面はあるものの、中国人経営者は政府の対策に満足しているようだ。

韓国では「良い」と「悪い」が26.4%で拮抗した。日本の「良い」(26.4%)、「悪い」(12.5%)と比べても韓国の経営者には不満が見え隠れしており、これが自社の経営先行きに対する不安にもつながっているようだ。

一方、感染拡大を機に日中韓では在宅勤務の導入が進んだ。そのうえで、韓国の39.2%、中国の24%が「対象者をさらに拡大」させるとした。中国はアリババなどが提供するオンライン会議システムの利用が急増。韓国は20年7月、デジタル化を軸とした経済対策に10兆円規模の政府予算を投入すると発表している。

日本では「現状を維持する」が9割弱に上った。ただ1都3県で再び緊急事態宣言が発令されたことで、今後は拡大する企業が増えるとみられる。新型コロナによって、生活様式のデジタル化はさらに加速しそうだ。

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