川崎重工、バングラ首都鉄道車両を初出荷 通勤で需要

川崎重工業は4日、バングラデシュの首都ダッカの都市高速鉄道(MRT)で運行予定の鉄道車両24編成144両のうち最初の1編成を神戸港から出荷したと発表した。同国の経済成長に伴って都市化が進むダッカでは今後も鉄道インフラの拡充が見込まれ、鉄道車両の需要増が期待できるとしている。
ダッカ周辺のMRTシステムの運営や維持管理を担うダッカ都市交通会社に納入する。川崎重工は2017年に三菱商事と共同で、ダッカ都市交通会社からMRT24編成144両と車両基地設備を受注した。契約総額は約400億円。
今回の1編成は4月にダッカの車両基地に到着し、整備や試験を経て22年3月から運行を始める予定。残りの車両も順次納入し、22年12月までに全車両が運行を始める予定だ。
納入する車両はダッカ市内の中心部を南北に結ぶ全長約20キロメートルの「6号線」で運行される。通勤電車として大量の人員を輸送するMRTがバングラデシュで運用されるのは今回が初となる。
車両は軽量で耐久性に優れるステンレス製とし、車内外には監視カメラを設置。大容量の空調装置を1両につき2台搭載するなど、現地の高温多湿な気候にも対応する。ダッカ市内では現在6号線の他に4つのMRTの路線が計画されており、川崎重工もさらなる車両受注をめざす方針だ。