営農データで農産物の出荷予測 テラスマイルが資金調達

営農データの管理システムを手がけるテラスマイル(宮崎県新富町)は、JAグループの農林中金イノベーション投資事業有限責任組合などから7850万円を第三者割当増資で調達した。調達した資金で人工知能(AI)を使った出荷予測の機能を強化する。
テラスマイルは2014年創業の農業スタートアップ。18年に営農データを管理できるサービス「RightARM(ライトアーム)」を開発した。気象データや農産物の市況情報を閲覧できるほか、生産者の過去の出荷量などを基に出荷計画をはじきだす。JA部会や農業法人向けに提供し、1グループあたり年間36万円の利用料を取る。出荷予測機能などをつける場合は、別途費用がかかる。
テラスマイルの生駒祐一代表は「ライトアームを使ってもらい農業経営者がデータから経営戦略を考えられるようにしたい」と話す。テラスマイルは調達した資金で出荷予測機能を強化。現在はトマトやナス、ピーマンなど5品目に対応するが、10品目に広げる。カバーする地域も南九州の3県から全国に対応させる。
第三者割当増資は農林中金イノベーション投資事業有限責任組合のほか、生鮮食品宅配のオイシックス・ラ・大地のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるフューチャー・フード・ファンド、関西電力グループのCVCであるK4ベンチャーズが引き受けた。
テラスマイルはオイシックスとは流通現場でのフードロス対策で、関電とはスマート農業の推進でライトアームを用いた連携を検討する。