ウェブでのインターン参加、9割に 22年卒、対面と逆転
リクルートキャリアが実施した2022年卒大学生・大学院生の就職活動に関する調査によると、ウェブ上のインターンシップ(就業体験)に参加した割合が就活生の89%にのぼった。21年卒を対象に20年6月に実施した調査では10%だった。平均参加社数ではウェブが対面を上回り、今回調査で逆転した。オンラインでのインターンが直近半年あまりで急速に普及したことが明らかになった。
参加したインターンシップは平均でウェブが6.76社、対面が2.25社だった。20年6月の調査ではウェブが1.57社、対面7.14社だったが、新型コロナウイルスでテレワークが推奨された影響で社数が逆転した。調査を担当した同社の増本全・就職みらい研究所長は「就活が手探りだった21年卒とは違い、22年卒は準備段階からオンラインの情報収集に慣れている」と分析した。
就職意向者のうち、1月半ばまでにインターンに参加した割合は83%だった。参加した社数の平均は8.77社だった。
参加したインターンの内容を実施形態別に聞くと(複数回答)、「業種や企業の説明」が最も多く、対面が82%でウェブは83%だった。対面とウェブでの差がついたのは「職場や工場の見学」で、対面が21%に対しウェブが3%だった。

インターンに参加した企業に関して、選考も受けるかどうかを最大5社まで複数回答で質問したところ、71%の企業については採用選考を受けるとの回答があがった。特に「インターンに満足している」ケースでは82%の企業について参加する意向が寄せられた。インターンへの満足度が採用選考への参加に大きく影響を与えていることが分かった。
ウェブでのインターンについて、学生からは「オンラインだとあまり会社の雰囲気が分からないので、オンラインで会社見学できるようなインターンに参加したい」(理系男性)や「オンラインだと時間を調整すれば多くの企業と関わることができる」(理系男性)と積極的な意見があった。就活全体については「対面での選考を想定していないため、急に対面に変更になったら不安だ」(理系女性)との声もあった。
調査は22年卒業予定の大学生と大学院生2051人に対して1月中旬にネットで実施した。有効回答数は789人だった。

就職活動に励む学生、採用する側の企業は、ともにオンラインと対面を駆使しより良い出会いを求めます。就活に役立つニュースや、様々な疑問に答える『就活探偵団』などの読み物を掲載します。