/

資生堂「高価格品に資源集中」 日用品売却1600億円発表

(更新)
資生堂は低価格帯の事業を売却し、収益性を高める。

資生堂は3日、へアケア商品「TSUBAKI」を含む日用品事業を欧州系大手投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに売却すると発表した。売却額は1600億円。新型コロナウイルスの流行で化粧品の需要が落ち込むなか低収益の事業を整理し、強みとする高価格帯の化粧品に注力する。

同日会見した魚谷雅彦社長は「日用品はマス広告を使うなどビジネスモデルが化粧品と異なる」と指摘。「グローバルな環境をみて、化粧品に選択と集中をする」と説明した。

オンライン記者会見に臨む資生堂の魚谷社長(3日)

売却はTSUBAKIのほか、男性用ブランド「uno(ウーノ)」、ボディーケアブランド「シーブリーズ」などが対象。日用品販売子会社のエフティ資生堂(東京・中央)など国内事業を移管する新会社を2021年上半期に設立し、7月に全株式をCVC側に譲渡する。

中国など海外10の地域の関連事業も売却したうえで、資生堂は事業運営会社の親会社株式を35%取得する。役員の派遣など運営への関与は当面続けるが、連結対象からは外れる。

日用品を生産している久喜工場(埼玉県久喜市)は現時点では売却対象に含まず、資生堂が製造を続ける。TSUBAKIなどのブランドは残し、研究開発も資生堂のノウハウを活用する。

事業譲渡の背景について魚谷社長は「グローバル企業との競争で環境はさらに厳しく、限られた経営資源から商品開発や広告宣伝などに十分な投資ができない」と説明した。

日用品事業の売上高は2019年12月期に日本・中国・アジアの合計で1053億円と全体の9%を占める。ただ、不特定多数の個人を対象にマスメディアに大規模な広告を打つ必要がある。20年に同事業に投じたマーケティング費用は250億~300億円に上る。

一方、国内ではアイエヌイーの「ボタニスト」など新興ブランドが台頭し、競争が激化。ドラッグストアなどで安売りされやすく収益への貢献度は低い。

売却先にCVCを選んだ理由として魚谷社長は「日用品事業に必要なのは広告宣伝費。CVCは資金力がある。企業価値を高め上場させた事例もある」と述べた。メーカーではなく自社の社員や工場が必要であることも要因とした。

日用品事業を切り出すことで、今後は化粧品事業に集中する。魚谷社長は「投資をするリターンがあるとみるのはプレステージ(高級品)。成長の一番の根源」と強調。中国など国内外でマーケティングや設備への投資を増やす意向を示した。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン