倒産、2021年は増加か 手厚い融資姿勢は転機に
企業信用調査マンの目
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帝国データバンク調べで2020年の倒産件数は7809件だった。対象は負債1000万円以上の法的手続きによる倒産だ。00年以降で2番目に少なく、特に新型コロナウイルスの国内感染が広がってから減少傾向が顕著になった。
一般的に景気が悪くなると倒産が増えると考えられ、現にリーマン・ショック後の09年は倒産が1万3306件発生、00年以降のピークとなっている。また、バブルが崩壊した1991年には倒産が90年比65%増、92年も32%増えて2年続けて大幅な増加となった。バブル景気で減少していた倒産件数が一気に膨らんだ格好だった。
景況感は大幅に低下
今回、新型コロナの感染拡大で世界的に景気が急速に悪化し、日本経済も大きな悪影響を受けた。当社の景気動向調査で20年3~4月の2カ月、景気DIは過去最大の落ち込みで5月には25.2まで悪化した。リーマン・ショック当時の09年1月調査が19.3だったので、それに次ぐような低水準だ。
しかし、20年は景況感の大幅な低下と倒産件数の減少という相関しない状態となった。その背景には、新型コロナ対策としての各種給付金や実質無利子・無担保融資といった緊急融資、納税猶予など様々な支援策が倒産を抑え込んだからと言って良いだろう。
月次の倒産件数を...
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