ソフトバンクG、WeWork創業者らに16億ドル支払い

ソフトバンクグループ(SBG)は1日、米シェアオフィス大手ウィーワークの創業者で前最高経営責任者(CEO)であるアダム・ニューマン氏らとの和解に関連し、同氏らに約16億㌦(約1700億円)を支払うと発表した。SBGは今後、ニューマン氏らが保有するウィーワーク株を買い取るもよう。当初予定したTOB(株式公開買い付け)での最大買い付け額は30億㌦で、半分程度を支払う見通しだ。
SBGはニューマン氏に加え、一部株主を代表するウィーワーク取締役会の特別委員会との間で和解が成立したと2月27日発表した。ただし、和解条件は「機密情報」としており、その時点で支払額は明らかにしていなかった。
SBGは、ニューマン氏に対する米当局の捜査などを理由に、当初予定していたTOBを2020年4月に中止した。ニューマン氏とウィーワークの一部株主はこれに反発し、保有株の買い取りを求めて訴訟が起きていた。SBGは「(今回の和解は)当社による責任や不正行為を認めるものではなく、当社に対する裁判所の責任認定もない」と説明している。
SBGが10兆円ファンド「ビジョン・ファンド」を通じ出資したウィーワークは19年に経営難に陥り、ニューマン氏はCEOを退任した。SBGが巨額の金融支援を実施し、同社のもとで再建を進めている。