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エンジン車容認、合成燃料の現状と課題は?

2023年3月30日の日本経済新聞朝刊に「ポルシェ・ホンダ、合成燃料で先行」という記事がありました。EUは温暖化ガス排出をゼロとみなす合成燃料の利用に限り、35年以降もエンジン車の新車販売を容認しました。合成燃料とはどんなもので、課題は何なのでしょうか。

ここが気になる

合成燃料は再生可能エネルギーから生み出すグリーン水素と、工場などで回収・貯蓄した二酸化炭素(CO2)からつくります。現在のエンジン車やガソリンスタンドでそのまま使えます。ドイツのポルシェはチリに工場を稼働。ホンダもホンダジェットの機体やエンジンを手掛けていることを生かし、実用化へ研究開発をしています。

合成燃料の課題は割高な生産コストです。日本の経済産業省の試算では国内製造で1リットル約700円でガソリンより高くなります。再エネ由来の電力を使いEVを走らせる場合と比べ、合成燃料使用車はエネルギー効率が悪くなる課題もあります。水の電気分解時や合成時、エンジンでの燃焼時などにエネルギー損失が生まれるからです。

日本の石油元売りは需要増大を見越しています。出光興産は30年までに北海道製油所で合成燃料の製造を始める計画です。世界での生産量は26年までに76億リットルに拡大する試算があります。ただ合成燃料はもともと電動化が難しい航空機や船舶中心に利用されるとの見方が大勢で、車向けの供給量は限られる可能性が高そうです。

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この記事をまとめた人:近藤彰俊
2017年入社。機械メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。
23年の野球シーズンが始まりました。WBCで日本以外の試合も観戦し、改めて日本野球はレベルが高いと感じました。
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