企業で広がるインフレ手当とは?
2022年11月30日の日本経済新聞朝刊1面に「企業『インフレ手当相次ぐ』」という記事がありました。三菱自動車やオリコンなどは従業員の生活を下支えする「インフレ手当」を支給します。そもそも、インフレ手当とは何なのでしょうか。

ここが気になる
インフレ手当とは、原料高による電気代や食品の値上げなど急激な物価高を受け、企業が従業員に基本給などに加えて臨時で支給する特別手当を指します。9月の1人あたり実質賃金は前年同月比1.2%減と6カ月連続のマイナスとなり、減少傾向が続いています。企業はインフレ手当を支給することで実質的な賃金の目減りを防ぎます。
三菱自動車は、管理職を除く正社員など約1万2000人に10万円を一時金として支給します。約2000人の期間従業員やアルバイトには7万円を支払います。給与にインフレに対応した特別手当を上乗せして支給する企業もあります。調査会社のオリコンは10月から毎月、給与に一律1万円の特別手当を上乗せします。
物価上昇に対応するには、基本給を一律に上げるベアを含む賃上げが効果的です。高度経済成長期には企業は物価高への対応としてベアで補ってきましたが、デフレ期にその流れは停滞しました。基本給は一度上げると下げることが難しい側面があります。相次ぐインフレ手当の支給が、来春の賃上げの勢いにつながるかに注目が集まります。

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この記事をまとめた人:横山龍太郎
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。

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