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「出生率1.5の落とし穴」をThink! 田中良和さんら投稿

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目記事にひとこと解説を投稿する機能です。8月20~27日では、グリー代表取締役会長兼社長の田中良和さんらが「世界の少子化問題」について読み解きました。このほか「新型コロナウイルスの感染経路」「アフガニスタン情勢」といったテーマのニュースに投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

世界の少子化問題「出生率1.5の落とし穴」をThink!

少子化克服は「百年の計」 出生率1.5の落とし穴(8月24日)
超少子化に陥る分水嶺とされる出生率1.5を長く下回った後に回復した国はほぼない。子どもが少ないのが当たり前の社会になり、脱少子化が困難な「低出生率のわな」に陥る。1.34の日本も直面する現実だ。
グリー代表取締役会長兼社長 田中良和さん

【田中良和さんの投稿】 北欧などを見ていると、不都合な真実が浮かび上がる。「産みやすい環境」が足りないから、出生率が2未満になるのではなく、どれだけの環境があっても、結婚したいと思わない、産みたいと思わないという人が、一定割合で増えていく結果、出生率が2未満となるのではないか。全ての人が結婚して子供を2名以上産みたいのだが、環境のためできないのだ、という固定概念を捨て、多様な生き方を受け入れてなお、出生率が2以上になる社会を作る議論が、求められていると思う。

法政大学経済学部教授 小黒一正さん

【小黒一正さんの投稿】 出生率低下の主因は未婚率の上昇で、出生率増には未婚率引き下げの政策が必要です。それは「出生率の基本方程式」(合計特殊出生率=(1-生涯未婚率)×夫婦の完結出生児数)で把握できます。例えば、生涯未婚率=30%、夫婦の完結出生児数=2なら、基本方程式により、出生率は1.4に。厚労省「出生動向基本調査」によると、夫婦の完結出生児数は1972年の2.2から2015年の1.94まで概ね2で推移。にもかかわらず、出生率が低下した理由は、生涯未婚率が上昇してきたためです。例えば、35歳―39歳の未婚率は1970年の男性4.7%・女性5.8%から2015年で男性35%・女性23.9%まで急上昇しています。

「新型コロナの感染経路」関連ニュースをThink!

子から親への感染拡大に懸念 経路に変化、休校相次ぐ(8月27日
新型コロナウイルスが子どもを介して親に広がる懸念が強まっている。従来は親が子にうつすことが多かった。
野村総合研究所未来創発センター上級コンサルタント 武田佳奈さん

武田佳奈さんの投稿】 デルタ株により、これまで相対的に低かった子どもの感染リスクが高まる一方で、現時点では0~11歳はワクチンを打つことができない。ワクチンを打てない子どもの命と生活"も"守る新たな仕組みの確立が急がれる。子どもが感染すれば、同居する親も感染、少なくとも濃厚接触者となり、一家での自宅療養・自宅待機を余儀なくされる可能性が高い。ワクチンによる感染抑制が困難な0~11歳に対しては「看護する親を守ることで子どもを守る」という発想も必要だろう。親世代のワクチン接種を加速させるとともに、子の看護のための休業を認め、収入補償の仕組みを確立する。親の看護を心理面も含めサポートするオンライン診療・相談も有効だろう。

「アフガニスタン情勢」関連ニュースをThink!

アフガン人に在留資格、政府方針 退避の大使館職員ら(8月25日)
政府は国外に避難する日本大使館のアフガニスタン人スタッフらが日本の在留資格を取得するのを認める方針だ。対象は最大数百人規模になる見通しで、人道的配慮に基づき中長期で滞在できるようにする。
丸紅執行役員経済研究所長 今村卓さん

今村卓さんの投稿】 難民認定率が高い国は申請も多く、その国の近隣や関係の深い国、旧植民地の国の中に難民が多く発生する国があり、政府も世論も難民への道義的責任や同情から受け入れに積極的になっている面もあります。こうした難民受け入れが多い国との共通点を欠く従来の日本は、難民とは疎遠な国でした。しかし最近は違います。日本が開発や民主主義構築を支援する国が増え、その中からミャンマーやアフガニスタンなど旧体制に戻る国も出ています。その国から逃れて日本で難民を申請する人が増えるのは必然、日本は難民受け入れの姿勢を改める必要があります。世論の理解を待つ余裕はなく、アフガン難民から政治主導で積極受け入れへ転換を急ぐべきです。

大坂なおみ選手の寄稿をThink!

聖火台で感じた「日本人であること」(8月25日
「落ち着いて、落ち着いて……」。震える手で聖火を引き継ぎながら、私は自分に言い聞かせていた。小さな炎は幾多の試練をくぐり抜けて、ここまでたどり着いたのだ。
WiL 共同創業者兼CEO 伊佐山元さん

伊佐山元さんの投稿】 私も「日本人」や「国益」のような議論をする時に、「日本に住んでいないあなたの活動は…」と言った意見をもらうことはいまだに多い。日本に住んでいない私が日本のために活動しても、その評価は割引かれてしまう現実だ。これからの日本の将来を考える時に、海外に住む日本人、海外で苦労して栄誉を得た日本人をもっとビジネスや政治に関与させる、寛容な社会にはなれないのだろうか。長期的に海外生活をしている日本人は、日本に住んでいる人以上に愛国心が強い人も多い。これからの日本の将来を議論する時には、是非世界中に散らばる日本人の力も動員して欲しい。

「トヨタ、部品用鋼材値上げ」をThink!

トヨタ、部品用鋼材値上げ2万円 資源高で上げ幅最大(8月24日)
トヨタ自動車の工場
トヨタ自動車は部品会社に卸す鋼材の2021年度下期(21年10月~22年3月)の価格を、21年度上期(21年4~9月)と比べ1トンあたり2万円程度引き上げる。値上げは2年ぶりで、値上げ幅としては10年度以降で最大だ。
ナカニシ自動車産業リサーチ代表アナリスト 中西孝樹さん

中西孝樹さんの投稿】 国内の支給鋼材価格値上げは想定されていました。長期にわたり集中購買システムに基づく国内の鋼材紐付き価格は安定的でしたが、これで国際価格とのギャップが一気に埋まりそうです。自動車メーカーは今年度に概ね台当たり5万円~6万円の材料価格高騰を業績予想の前提に置いています。業界全体で1兆円以上の原材料価格高騰影響が発生します。鋼材価格上昇影響はこの枠に収まるでしょう。一方、インセンティブ下落、価格上昇、製品構成改善、金融事業収益改善などで自動車メーカーの業績は実際すこぶる好調です。重要資材である鋼材の安定供給確保に鑑み、長い激しい交渉は自動車側の譲歩で収まった形です。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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