ドイツがロシア産ガスの全廃を急ぐ背景は?
2022年10月27日の日本経済新聞朝刊1面に「ロシア産ガス『全廃めざす』」という記事がありました。ドイツのリントナー財務相は、ロシアからのエネルギー輸入の全廃をめざす考えを明らかにしました。どんな背景があるのでしょうか。

ここが気になる
ロシアの天然ガス生産量は2021年に世界全体の17%を占め、アメリカに次いで世界2位の規模になっています。最大の買い手は欧州で、21年にはEUが輸入する天然ガスの約4割をロシアが占めました。その中でもドイツは、外交対話を重んじるロシア融和策をとっており、天然ガスの過半をロシア産に依存してきました。
ドイツが、主要な調達先であるロシアのガス輸入全廃を急ぐ背景には、ウクライナへの侵攻があります。燃料高などのリスクを抱えても対ロシアで厳しい姿勢を貫き、通商政策ではロシアとの断絶も視野にいれます。エネルギー調達の代替策としては、液化天然ガス(LNG)をためるための浮体式ターミナルや再生可能エネルギーを例示しました。
一方、ドイツ政府は19日、国内にある原子力発電所の全3基を23年4月15日まで稼働できるようにする法案を閣議決定しました。ロシアがウクライナに侵攻する前は22年末までに原発ゼロを完了する予定でしたが、冬のエネルギー需要の高まりに備え方針転換しました。エネルギーの脱ロシアと供給確保を両立させるには、さらなる調達先の多様化が必要になりそうです。

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この記事をまとめた人:横山龍太郎
2016年入社。大阪で自動車関連や医薬品、造船企業の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。
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