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寝不足ニッポンの経済損失は 為末大さんらとThink!

日経電子版「Think!」は、各界のエキスパートが注目の記事にひとこと解説を投稿する機能です。9月17~24日では、元陸上選手でDeportare Partners代表の為末大さんが「寝不足ニッポンの経済損失」について読み解きました。このほか「中国不動産会社の苦境」「みずほ銀行へ異例の処分」といったテーマの記事に投稿が寄せられました。(投稿の引用部分はエキスパートの原文のままです)

「寝不足ニッポンの経済損失」をThink!

寝不足ニッポンが失う15兆円 睡眠時間、OECD最下位(9月19日)
年間15兆円。米シンクタンクがはじき出した日本の睡眠不足が引き起こす経済損失額だ。オフィスで「寝不足」を美徳のように語る光景は今も珍しくない。あなたは眠れていますか――。
元陸上選手/Deportare Partners代表 為末大さん

為末大さんの投稿】 アスリートのリカバリーには睡眠、食事、積極的休養(ストレッチや軽い運動により回復を促す)の三つの要素がありますが、最も影響が大きいのが睡眠です。高いレベルになると練習量をいくら増やしても体が慣れてしまっているために、質が重視されるようになります。例えば10"20と10"00では全く刺激の強さが違います。しかし10"00で走るにはそれなりに体調を整えなければならず、結局最後はいかに頑張るかから、いかに早く回復し良い状態でグラウンドに立つかの勝負になります。それには睡眠の質が大きく影響しています。

「中国不動産会社の苦境」関連ニュースをThink!

「第2の恒大」に警戒 中国不動産、共同富裕が重荷(9月23日
習近平(シー・ジンピン)指導部が唱える「共同富裕(ともに豊かになる)」と「金融リスクの解消」が中国の不動産会社の経営の重荷になっている。
慶應義塾大学総合政策学部教授 白井さゆりさん

白井さゆりさんの投稿】 中国の社債累積問題は以前から問題視され政府も債務の抑制に動いていた。近年、コロナ後の景気後退もあって債務不履行は徐々に増えていたが、コモディティ価格や資材価格の高騰も不動産開発業者を含む企業収益の悪化に拍車をかけた。原材料価格を含む生産者物価の伸び率が高まっているが、消費の回復が相対的に遅れるなかで一般物価への転嫁が進みにくいようだ。政府の支援が相対的に少ない中国恒大集団のような非国有企業の方が、国有企業よりも厳しい状況にあるが、国有企業債務の方が急増しているだけに今後の動向が懸念される。企業の景況感が8月から急速に悪化しており、昨年いち早くコロナ危機から回復を遂げた状況から一変している。

「みずほ銀行へ異例の処分」関連ニュースをThink!

みずほ銀行へ異例の処分 なぜ金融庁がシステム管理?(9月22日)
金融庁は22日、システム障害が相次ぐみずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行に対し、業務改善命令を発動した。システム運営を事実上、当局が管理する異例の措置となる。
東洋大学国際学部教授 野崎浩成さん

野崎浩成さんの投稿】 取れる行政措置は、銀行法24条報告(報告徴求命令)、業務改善命令、業務停止命令と、問題の深刻さや経営姿勢等に基づき重くなります。みずほはシステム事案において度重なる業務改善命令を受けており、次の段階となると一部業務停止命令が視野に入ります。しかし、同行のシステムは金融市場および社会生活に多大な影響を及ぼすため、「次の段階」の措置が実質的にない状況です。このため、「管理」は異例ではありますが、当局としての監督上の責任を果たすために苦肉の策と言えます。みずほは、「管理」まで追い込まれたことをシステム上の問題としてではなく、全ての管理態勢および文化の見直しの奇貨とすべきでしょう。

「BTSが国連イベント登壇」をThink!

BTSが国連イベント登壇 「世界は前進し続けている」(9月21日
国連本部で演説するBTSのメンバーら=AP
【ニューヨーク=時事】ニューヨークの国連本部で20日、「SDGs(持続可能な開発目標)」関連イベントが開かれ、韓国の男性音楽グループ「BTS」が登壇した。
国際連合事務次長・軍縮担当上級代表 中満泉さん

中満泉さんの投稿】 「僕達は変化に怯えるのではなく『ウエルカム』と言いながら前に進んでいく世代」「若者が選択によって未来を切り開く」。今日国連でのスピーチでBTSはそう宣言しました。国連で撮影された「Permission to Dance」もリリース。背景には、事務総長が発表した「私たち共通の課題」と題する、未来に向けたビジョンを発表し議論を呼びかける国連の意図があります。若者・次世代の声を聞き未来に関わる決定に関与してもらうのは、最重要課題です。地球と人類の存亡に関わる気候危機。世界と社会を分断する不正義や不平等。深まる緊張関係やサイバー空間などでの新たな種類の紛争。私達は未来に向けた歴史の転換期にいるのです。

「社長と社員の報酬差」をThink!

社長と社員の報酬差、米は最大5294倍 日本は174倍(9月22日)
企業の経営トップと従業員の報酬格差が開いている。株価の上昇で株式型報酬が膨らむ一方、従業員の報酬は伸び悩んでいるためだ。
早稲田大学教授 大湾秀雄さん

【大湾秀雄さんの投稿】 優秀な経営者が産み出す価値は巨額となる一方、そうした能力を認められた経営者の供給は限られているため、経営者市場が発達した国では報酬が押し上げられる。経験させないと本当に良い経営者か分からないため過小供給がおきる問題は、昔からスーパースター市場の問題として研究されてきた。日本は、逆に生え抜き主義と遅い昇進の問題で、経営者育成が大きく遅れている。報酬が低いのは、経営者市場が形成出来ていないからで、むしろ非効率の証左だ。業績に連動して報酬や進退が決まるように、制度の再設計が必要であることは言うまでもない。経営者選抜のスピードを速め、厚みのある経営者市場を作ることが、日本企業の競争力の回復につながる。

「台湾がTPP加盟申請」関連ニュースをThink!

試される対中包囲網 TPPが覇権争いの場に(9月23日)
環太平洋経済連携協定(TPP)は中国に加えて台湾も加盟を申請したことで、自由主義と権威主義の覇権争いの舞台の様相を呈してきた。
丸紅執行役員経済研究所長 今村卓さん

【今村卓さんの投稿】 中国のTPP(CPTPP)加盟は不可能ではないですが、同国が現在の経済体制の大幅な改革を確約しないことには非常に難しいと思います。中国はすべての加盟エコノミーと個別に交渉して承認を得る必要があります。現在の中国はTPPの労働、電子商取引、国有企業の条項の遵守が難しいとみられます。日本、カナダ、オーストラリアなどは中国に条項遵守に必要な改革の約束と履行保証を求め譲歩しないとみられ、中国は応じなければ承認を得られずTPP加盟への道を閉ざされます。中国の台湾TPP加盟申請への反対も、自ら台湾のいるAPECで台湾を含むFTAAP構築を唱えていることと整合しません。試されているのは中国だと思います。


Think!
平日のニュースに投稿がつく「Think!」。これまでの投稿のまとめ読みと、エキスパートのみなさんのご紹介は次のページから。

【投稿まとめ読み】
https://r.nikkei.com/topics/topic_expert_EVP00000
【エキスパート一覧】
https://www.nikkei.com/think-all-experts

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