日銀が実験の「デジタル円」、何ができる?
2022年11月24日の日本経済新聞朝刊1面に「デジタル円 3メガと実証」という記事がありました。日銀が「デジタル円」の発行に向け、メガバンクなどと実証実験に入ります。従来の電子マネーやクレジットカードといった決済手段と何が違うのでしょうか。

ここが気になる
日銀の「デジタル円」は、CBDC(中央銀行のデジタル通貨)と呼ばれるものです。特徴の一つにお金を即時にやりとりできる点があります。クレジットカードなどは利用者の支払いからお店への入金まで1カ月程度かかりますが、CBDCは支払いと同時に入金されます。夜間や休日も銀行間の送金が可能なため、利便性が向上します。
使える場所の多さも特徴です。企業などが提供する電子決済は、使えるお店が限られますが、CBDCは現金のようにどこでも使える仕組みとなります。メガバンクなどと行う実証実験では災害時などを想定し、インターネットがない環境でも使えるかどうか確かめます。
CBDCは世界の中銀の9割が研究しており、日本も米欧と足並みをそろえています。導入にあたってはハッキングなどのリスクを抑える必要があります。中銀が個人や企業の決済情報をどの程度管理すべきかという議論もあり、米連邦準備理事会(FRB)では導入の最終判断を下していません。日銀は2026年までに発行の可否を判断します。導入が決まれば、キャッシュレス決済普及の起爆剤となることが期待されます。

若手編集者が同世代にむけて新聞の読みどころを発信する「朝刊1面を読もう/Morning Briefing」は平日朝に公開します。
この記事をまとめた人:宮脇雄斗
2020年入社。小売・レジャー業界の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。
2020年入社。小売・レジャー業界の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。

日本経済新聞が最も大切にしている「朝刊1面」を中心に、経済ニュースをわかりやすくお届けします。
なぜこのニュースが大切なのか、インパクトはどこまで及ぶのか。
学生、若手社会人向けにニュースの背景を読み解くポイントをお伝えします。
動画で解説 日経電子版活用法
経営コンサルタントの小宮一慶氏が電子版活用法を動画で解説。より深くニュースを読み解くヒントが満載です。
>>日経電子版 活用動画