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首相のウクライナ訪問、なぜこのタイミング?

2023年3月22日の日本経済新聞朝刊1面に「首相、ウクライナ訪問」という記事がありました。岸田文雄首相はウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。首相はなぜこのタイミングで訪問したのでしょうか。

ここが気になる

首相は5月に広島で開かれるG7サミット前の訪問にこだわりました。ロシアによる侵攻後、G7首脳で唯一ウクライナ入りしていませんでした。サミットはG7が足並みをそろえて、ウクライナ支援を打ち出す機会です。議長を務める首相が、ゼレンスキー大統領と対面で会談することで、ウクライナに寄り添う姿勢を世界に示せます。

訪問には多くの壁がありました。2022年6月と12月に現地入りを検討したものの断念。安全確保が難題でした。自衛隊は日本の要人警護のみを目的に海外に帯同できず、日程の保秘が欠かせません。海外訪問の際の慣例となる国会の事前承認の問題もありました。今回、日程は事前公表せず同行も10人規模に絞りました。夜中にホテルを抜け出し、ポーランドまでチャーター機で移動後、列車でキーウへ向かいました。

中国への警戒も訪問を促しました。中国は停戦と対話を呼びかける独自の仲裁案を示しており、習近平国家主席は20、21日にロシアのプーチン大統領と会談しています。中国の影響力拡大はG7各国にとって痛手です。仲介外交に対抗し、法の支配に基づく国際秩序の大切さを訴える狙いもあります。

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この記事をまとめた人:浮島翼
2016年入社。首相官邸や立憲民主党の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。先月、北海道の登別温泉に行きました。爆裂火口跡の地獄谷を見ながら、つかった温泉は天国にいるかのような心地よさでした。
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